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ネットで楽しむオーケストラ ―新日本フィルライブ―

ベートーヴェン       2009年10月27日公開 交響曲第7番イ長調 op.92 ヴォルフ=ディーター・ハウシルト指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団

楽曲解説

 最初の交響曲を作るまでに10年かけたベートーヴェン。だが、その後の10年で、第6番「田園」までが、一気呵成に作曲される。型破りな構成と曲の長さで聴衆の度肝を抜いた第3番「英雄」、たったひとつの動機をジグソーパズルのように組合わせ、ひとつの大曲へと仕立てた第5番「運命」。ベートーヴェンが矢継ぎ早に繰り出した革新的な交響曲は、その全てが驚きと、新たな時代の予感とともに受け止められた。

 こうした野心に満ちた交響曲に比べると、1811年から13年にかけて(たった2年で!)作曲された交響曲第7番は、ベートーヴェンが10年ぶりに正統的な交響曲の世界へと戻ってきた証と考えられた。だが、この曲に横溢する、付点リズムの荒々しいまでの力強さが、オーケストラ曲に新たな地平を切り開く。リヒャルト・ワーグナーがこの曲を「舞踏の権化」と呼んで称賛した、というエピソードから伝わるのは、このリズミカルな曲が、いかに当時の人に与えた影響が大きかったか、ということの証明に他ならない。もちろん現代人にも大きなインパクトを与える曲であることには変わりなく、最近では第1楽章の旋律が、二ノ宮知子『のだめカンタービレ』テレビドラマ版のテーマ曲として用いられたことも記憶に新しい。

[PickUp! ここが聴きどころ]

 第1楽章序奏の後、初めて提示されるフルートの旋律が、同楽章全体を支配するリズム・パターンとなる(4'42")。第2楽章は変奏曲形式を採用しているが、旋律そのものは全く変化することがなく、それを彩る伴奏が様々に変化する、という点に、作曲家の創意工夫が窺える。第1楽章と第4楽章こそイ長調(シャープ3つ)という調性は共通しているが、第2楽章はイ短調(調号なし)、第3楽章はヘ長調(フラット1つ)、というあまり関係のない調性が選ばれているのは、当時としては珍しい。最後の第4楽章でも、第2楽章と同じように、ひたすら同じ主題が執拗に繰り返され、熱狂的なフィナーレへと上り詰めていく。

作曲:ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770−1827)

「楽聖」である。学校の音楽室に飾ってある厳めしい肖像画。ほとんど神様そのものの扱いを受けてきたといってよい。ドイツのボンに生まれるも、田舎での音楽活動に飽きたらず、22歳からウィーンに定住して活動を続け、その力強い音楽で聴き手を魅了した。質の悪いワインを好み、耳疾のみならず、肝硬変、黄疸を患うが、ハイドンが得意とした交響曲、弦楽四重奏曲を発展させ、後世の音楽家に大きな影響を与える。享年56。

(文=広瀬大介)

収録:2008年10月17日 すみだトリフォニーホール

演奏者プロフィール

  • ヴォルフ=ディーター・ハウシルト

    指揮:ヴォルフ=ディーター・ハウシルト

     1937年、ドイツ・テューリンゲン出身。フランツ・リスト音楽院で、ヘルマン・アーベントロートに指揮法と作曲を師事。ドイツ統一以前はライプツィヒ放送交響楽団と同合唱団の首席指揮者を務めたほか、ライプツィヒ歌劇場にも出演、また1985年のドレスデン国立ゼンパー歌劇場の歴史的な再開に際して「魔弾の射手」を指揮。ドイツをはじめヨーロッパ各地のオーケストラ、歌劇場で活躍する。ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス、R.シュトラウス、ワーグナーの作品解釈はとりわけ評価が高く、ドイツの音楽的伝統を現代に伝える。ベルリン・クラシックスほかに録音も多数。

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