ビジネスモバイル最強化計画

現場泣かせの貧弱パソコンにさらば!


スペシャル

セキュリティのために生産性やクリエイティビティを犠牲にしていいのか?

森永卓郎的レッツノート仕事論(2)

ビジネスモバイルの活用を見直し、競争力を高めよう

企業はビジネスモバイルをもっと活用すべき。その理由をクリエイティビティ、BCP(事業継続計画)、そしてTCOの3つの観点から説明してもらった。必要なのは経営者の理解と舵取りだ。

森永卓郎(もりながたくろう)

獨協大学 経済学部教授。東京大学経済学部を卒業後、日本たばこ産業、UFJ総合研究所などを経て現職。ベストセラー「新版 年収300万円時代を生き抜く経済学」(光文社)をはじめ著書多数。

クリエイティビティを殺していないか

ビジネスモバイルの力を生かせずにいる企業が少なくない。個人情報保護法や日本版SOX法の影響で、企業のITは「攻め」を許されず、「守り」に専念しなければならないかのような風潮が生まれてしまったためだ。

しかし、ビジネスモバイルの活用を制限してしまっては、失うものがあまりに大きいと森永氏は指摘する。第1回で紹介したとおり、森永氏自身、レッツノートをフル活用して移動などの隙間時間を仕事に当て、生産性を高めている。多忙を極め、電話ではすれ違いが続いてしまうときには、メールの方が早く連絡がつくことも多いという。限られた時間を有効に使えるのがビジネスモバイルの良さだ。

しかし、メリットはそれだけにとどまらない。より重要なのは、従業員のクリエイティビティを引き出せる点だと森永氏は力説する。たとえば、ミーティングや商談にパソコンを持っていければ、事前に用意した資料の範囲を超えて議論が盛り上がっても、手元のパソコンからデータを取り出し、勢いをそのままに議論を展開できる。「会議の際、なかなか意見が受け入れられなかったのに、パソコンの中にあった1枚の写真を見せたら理解が通じた、という経験が私にもあります。机はフリーアドレスでもいいから、レッツノートのようなビジネスモバイルは1人に1台あずけ、なるべく自由に使わせてあげるのが本当は一番望ましいはずです」(森永氏)。

そもそも、従業員のパソコン利用を制限しすぎることに、森永氏は異議を唱える。「ポルノサイトなどを禁止にするのはいいでしょう。しかし、私用のメールをブロックするのはどうでしょう。新しい発想は、まじめにルールに則って仕事をこなしているだけでは出てきません。仕事から多少なりとも逸脱したところにこそ、アイデアの種が見つかるものです」(森永氏)。

必要以上に厳しい制限を従業員に押しつけることがセキュリティではない。「情報を守るのはもちろん重要ですが、ガチガチに守らなければいけない情報と、リスクの低い情報とはしっかり分けるべきです」(森永氏)。情報漏えいを起こし、企業が社会的な批判にさらされるのを目の当たりにすると、どうしても守りを固めるほうへと走りがちだ。それを正しい方向へと軌道修正するのは、システム部門ではなく、経営者の役目ではないか。そう森永氏は考える。

新しい発想は、まじめにルールに則って仕事をこなしているだけでは出てこない

リスクコントロールは集中より分散で

BCP(事業継続計画)は、災害など予期しない事態が発生した際に、通常業務を継続させるための取り組みだ。すでに策定に乗り出している企業も多いだろうが、ビジネスモバイルにはBCPの観点からもメリットがあると森永氏は考える。リスクを分散できるからだ。

森永氏が以前在籍していたある企業では、データをホストコンピューターで集中管理し、遠隔地のデータセンターへ毎日バックアップを送っていた。「ところが、ある日ホストがダウンしてみると、復旧させるには遠隔地のデータを時間をかけて引き上げ、ホストに戻さなければなりませんでした。そのために多くの従業員が長時間、業務を妨げられてしまったのです」(森永氏)。同様の事態は災害時にも起こりえる。

たとえば大地震に襲われたとする。都市の中心部が甚大な被害に見舞われたとしても、近郊には軽微な被害ですむエリアもあるだろう。ところが、従業員は元気でも、会社が倒壊し、サーバーがつぶれたせいで業務が停止してしまう事態も考えられる。「ビジネスモバイルを従業員に持たせておけば、おのおのが自宅で仕事を継続できます。つまり、リスクを分散できるのです」。

皆が自分のパソコンに保存していたデータを持ち寄れば、ホストの復旧を待たずとも、業務に必要な分だけのデータはそろえられるかもしれない。「データは何でもしっかり守る、という考え方は一見正しいようで、間違っています。基幹系のデータなどは集中管理してしかるべきでしょう。しかし、日々の業務に必要なデータの中には、従業員に持たせておいてもリスクが小さいものもあるはずです」。守りを重視しなければならない情報と、活用を優先させてかまわないデータ。その基準を今一度見直すには、やはり経営者から率先して動く必要があるのではないだろうか。

1人1台のパソコンを持たせることは見方を変えれば、リスクの分散になる

本当の経済性はTCOでなければわからない

ビジネスモバイルはTCOにおいても大きなメリットがあると森永氏はいう。しかし、予算の制約から、導入パソコンをイニシャルコストだけで判断している企業は少なくない。「たとえば、消費電力が小さく、寿命が長いLEDは、蛍光灯と比べて長い目で見れば圧倒的に経済的です。ところが全然普及しないのはイニシャルコストが高いからです。ビジネスモバイルにも同じことがいえます」(森永氏)。

特にレッツノートの場合、TCOに貢献するのは消費電力の小ささだけではない。「まず壊れにくいので、リプレースのサイクルを長くとれます。修理代も節約できるでしょう。また、軽くて使いやすいので、従業員が率先して使ってくれるのもメリットです。使いにくいものはどうしても敬遠されるので、稼働率という点で考えても、レッツノートのTCOは優秀といえます」(森永氏)。

 TCOの高さは、環境の面からも好ましい。オフィスでもっとも電力を消費しているのはパソコンともいわれている。消費電力の極小化を追求して開発が重ねられてきたレッツノートなら、デスクトップパソコンだけでなく、一般的なノートパソコンから置き換えても、電力消費を大幅に抑制できるだろう。さらに、レッツノートは環境に配慮した、パナソニックの国内工場で全数が生産されている。製品寿命の長さも併せ、環境負荷が非常に小さいパソコンなのだ。

ビジネスモバイルの利用を必要以上に制限すること。導入パソコンをイニシャルコストだけで決めてしまうこと。「いずれも、意思決定者が現場のニーズを理解し切れていないために起こる問題だと私は考えています」(森永氏)。理想は経営者が現場に入り込み、実際に業務を手伝ってみることだと森永氏は笑うが、あながち冗談ではない。企業の競争力がITの活用いかんに大きく左右されているのは事実だ。経営者の正しい理解と舵取りが、ITの有効活用と企業の成長には不可欠と言っていいだろう。

TCOは稼働率まで含めて考えるべき。その点でもレッツノートは優秀だ

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