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プロダクトデザイナーに聞く夏モデルの注目デザイン

 30年近くに渡り日本のパソコン界のトップランナーであり続けるNEC。当然、デザインの面においても、同社がパソコンマーケット全体に及ぼしてきた影響は大きい。NECはパソコンデザインをどのような視点から考えているのか? そして最新の夏モデルにおけるデザインのポイントとは? デザイン現場の一線で活躍するプロダクトデザイナー3人に聞いた。

株式会社NECデザイン プロダクトデザイン1 エグゼクティブプロデューサー 寺内有紀夫氏

NECデザイン
プロダクトデザイン1
エグゼクティブプロデューサー
寺内有紀夫氏

株式会社NECデザイン プロダクトデザイン1 シニアクリエイティブマネージャー 山口修司氏

NECデザイン
プロダクトデザイン1
シニアクリエイティブマネージャー
山口修司氏

株式会社NECデザイン プロダクトデザイン1 兼ユニバーサルデザインセンター エキスパートデザイナー 河崎圭吾氏

NECデザイン
プロダクトデザイン1 兼
ユニバーサルデザインセンター
エキスパートデザイナー
河崎圭吾氏


キーワードは“Neutral”“Essential”“Creative”

 「NECではパソコンのデザインをするにあたり、社名のとおり“N”“E”“C”を頭文字とする3つのキーワードを根幹として意識しています」。同社でパソコンや携帯電話のデザインを手がけるプロダクトデザイン1のエグゼクティブプロデューサー、寺内有紀夫氏はこう切り出した。

  まず“N”は、“Neutral”の頭文字である。これは「突出しない、逸脱しない」を意味する。「背景の異なる大勢のデザイナーがいる以上、当然、個々のデザイナーの色は出るべき。ただし、それにより特定のユーザー層にあまりにも片寄りすぎるものになってはいけないということです。もう1つの意味として、『生活環境から突出せず、使用する場所になじむものにする』という面もあります」と寺内氏は説明する。

Neutral Essential Creative
NECがパソコンデザインに掲げるキーワード。
「N」「E」「C」の3文字それぞれが目指すべきパソコンの姿を指し示す。

 

  “E”は“Essential”、すなわち「本質的であること」を表す。パソコンのデザインには当然、目新しさで人を惹きつけることが重要だ。ただし、その中で重要なのは製品の“本質”を見失わないこと。あくまでその“本質”を実現するためのデザインでなくてはならないという考え方だ。

  “C”は“Creative”である。「そもそもこれがなければデザインではない」と寺内氏。“Neutral”、“Essential”を踏まえたうえで、新しいものの“登場感”をどう生み出していくかがポイントになる。「“Neutral”、“Essential”といっても、時代によって軸は変わっていく。その時代の軸は何かを共通で持っていると同時に、常に軸が移動していることに敏感に反応して製品に取り入れていく。それこそがデザイナーの仕事だと思っています」と寺内氏は語る。


ユーザビリティを犠牲にしていいと考えたことは一度もない

 一方で、いくら時代が移り変わろうとも、NECのパソコンデザインにおいて変わらない“軸”も存在する。“ユーザビリティ”、すなわち使い勝手へのこだわりがそれだ。「ユニバーサルデザインという言葉がまだ存在しないころから、NECは『誰にとっても扱いやすいことが大事』という視点を持ち続けてきました。『デザインが良ければ、多少使い勝手を犠牲にしても構わない』などと考えたことは一度たりともありません」と同プロダクトデザイン1のシニアクリエイティブマネージャー、山口修司氏は強調する。

  こうした同社のユーザビリティへのこだわりは、パソコンデザインの細部に至るまでちりばめられている。好例が、最新の夏モデル「VALUESTAR W」に付属するワイヤレスマウスのデザインだ。

  ワイヤレスマウスでは、定期的に内部に収められている電池を交換する必要がある。「VALUESTAR W」付属のこのマウスでは、マウス本体上部にあるボタンを押すだけで電池収納部のカバーが外れて片手で脱着できるようになっており、電池交換を極めて容易に行えるのだ。

「VALUESTAR N」付属のワイヤレスマウス

「VALUESTAR W」付属のワイヤレスマウス
マウス中央部を押せば、指一本で電池収納部のカバーを外すことができる。

電池交換も容易

電池交換も容易
引っ掛かりなく電池が取り出せるように金属端子を極力短くし、端子を取り囲む樹脂も極力小さくしている。更に横からの取り出しも可能になるよう「えぐり」をつけている。


  ボタンを指で押す際の圧力は、女性や力の弱い人が押してもカバーが外れやすいように設定している。とはいえ、ちょっとしたことで簡単にカバーが外れてしまわない配慮も必要。圧力計で計測しつつ何度も実験を繰り返し、最適な圧力を実現している。

  しかも、このマウスでは、本体電池カバー部とクリックボタンが一体で成形される独特の形状となっており、半卵型の形をVの字型に切り取っただけのシンプルなカタチでボタンのクリック感を出している。このシンプルな構成はワイヤレスマウスをデザインしたことがある人には驚きのカタチだという。手にしっくりとなじむ曲面を保ちながらも、クリックボタン部分をうまくしならせて絶妙のクリック感を生み出すことに成功。NECならではの高度な成形技術があってこそ成し得たもので、ここでもシンプルなカタチと使い勝手の良さを両立している。

  さらに「VALUESTAR W」ではマウスのみならずキーボードについてもデザイナー自ら3Dデータを制作しキートップと本体のクリアランスを細かく調整を図り洗練させている。また一列ずつ指が当たる最適な角度とカタチの調整や、構造まで含めたデザインを全面的に見直した。一方で収納しやすくするために薄くする努力も怠らず、使い勝手をキープしながら洗練された印象を生み出している。

 「マウスとキーボードはパソコンをデザインする際にある意味一番重要と考えています。なぜなら毎日手で触れるもので手に感触がすり込まれるからです。この感触は普段は気づきませんが他社製品に触れた時に違和感としてハッキリと感じとることができます。一度NECの商品を使ったらまた使いたくなる見えない効果に期待します。シェアNo.1で、使い勝手の良さにはとことんこだわってきたNECだからこそ、ここまでやらなくてはいけないのです」と、このマウスとキーボードをデザインしたプロダクトデザイン1 兼 ユニバーサルデザインセンター エキスパートデザイナーの河崎圭吾氏は力を込める。

VALUESTAR W intelロゴ
VALUESTAR W
上記で紹介したマウスは最新モデルの「VALUESTAR W」で採用している。「VALUESTAR W」は全モデルに地上デジタル放送チューナーを搭載し、ハイビジョン番組の視聴・録画を快適に行える。最上位モデルは、Blu-ray Discドライブを搭載、ハイビジョンの映像データをBlu-ray Discに保存できる。水冷方式で圧倒的な静粛性を実現しているのもポイントだ。

 


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