貸せば貸すほど自分もたくさん借りられる
動きが鈍い日本国内とは対照的に、米国ではフルスピードで電子書籍の普及が進んでいる。それに伴い、電子書籍を使う上で、より便利なサービスが導入されるという好循環が起こっている。2009年ごろからサービスが始まった、電子書籍の“個人レンタル”はその端的な例。これが意外に便利なのだ。
例えば、アマゾンの電子書籍システム「キンドル」を例に、友人などにレンタルする仕組みを見てみよう(図1)。
キンドルの場合、まず書籍を貸し出す側のユーザーが、アマゾンのウェブサイト(キンドル・ストア)にアクセスし、自分の購入履歴を開く。貸し出し可能なタイトルの中から目的のタイトルを選ぶ。次に、知人や友人を「借り手」としてメールアドレスを登録すると、相手にレンタル書籍のダウンロード用URLがメールで通知される。
レンタル期間は最大14日間。借り手が書籍データをダウンロードしたところからカウント開始。その間、貸し手(持ち主)の手元にあるファイルはロックがかかり、開けない。レンタル期間が終了すると、借り手側の書籍データはもう利用できなくなり、貸し手の側ではロックが解除され、読めるようになる。
こうした“個人レンタル”のサービスは、米国の電子書籍では2大勢力である、アマゾンのキンドル、書店チェーンのバーンズ&ノーブルが提供する「ヌック」が、いずれも同じような仕様で提供している。このため、米国の電子書籍ユーザーにとっては、当たり前のサービスになっている[注1]。
貸し出し可能な本を持っていても、借りたい人を周囲で見つけられないことも多いだろう。そこで、見知らぬ貸し手と借り手を結びつけるマッチングサービスも今年に入って登場した(図2)。
その一つ、「eブックフリング」では、まず貸し手が、貸し出すタイトルを登録する。これを借りたいというユーザーが現れたら、レンタルは成立だ。その際、借り手は、1クレジットを払い、貸し手は1クレジットを受け取る[注2]。あとは図1の手順で貸し出せばよい。貸し手は、受け取ったクレジットを使って、無料で別のタイトルを借りられる。レンタル可能なタイトルを持っているなら、たくさん貸せばそれだけ、自分も多くの読みたいタイトルを借りられるというわけだ。
[注1]電子書籍の個人レンタルは「ヌック」が2009年のサービス開始時から対応しており、これに「キンドル」が追随した
[注2]「クレジット」はeブックフリング内で使えるポイントのこと。借り手がクレジットを持っていない場合、1冊2.99ドルで借りられる
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