2010年5月末、コンピューターウイルスを使って金銭をだまし取っていた男2人が、詐欺の疑いで逮捕された。2人はウイルスを使ってユーザーの個人情報を収集。自分たちが運営するWebサイトで公開し、削除してほしければ金銭を支払うよう迫った。今後も同様の手口が出現する可能性は高い。注意が必要だ。
今回のネット詐欺は、容疑者の1人が役員を務める「株式会社ロマンシング」に金銭を振り込むよう要求するため、「ロマンシング詐欺」とも呼ばれる。詐欺犯はまず、アダルトゲームやセキュリティソフトなどの違法コピーに見せかけたウイルスを作成。「Winny」や「Share」といったファイル共有ソフトのネットワークにアップロードし、誰でもダウンロードできる状態にする(図の1)。
ファイル共有ソフトのユーザーがそれらをダウンロードして実行すると(同2)ウイルスに感染。ウイルスは感染パソコンの情報を盗んで詐欺犯へ送信する。具体的には、パソコンの画面写真や最近使ったファイルの名前、インストールされているプログラムの名前などを収集する。
その後、ウイルスは偽のインストール画面を表示。ソフトを利用するにはユーザー登録が必要だとして、ユーザーの住所や氏名、電話番号などの個人情報を入力させて盗み、詐欺犯へ送る(同3)。
情報の入力が終了すると、ウイルスはパソコンの画面に「あなたは、このソフトの著作権を侵害しています」といった警告文を表示。そして、「著作権侵害の証拠を保存するため」と称して、収集したユーザー情報のすべてを、詐欺犯が管理するサイトに掲載する(同4)。
ウイルスは、そのサイトのURLも感染パソコン上に表示する。サイトには、個人情報を削除するための申請画面を用意。個人情報をさらされたユーザーが、申請画面でメールアドレスを入力すると(同5)、ロマンシングからメールが送られてくる(同6)。
メールでは、ダウンロードしたファイルの著作権はロマンシングが有していると偽り、訴えられたくなければ、著作権使用料相当額として5800円を振り込むよう求める。振り込めば、証拠保全の必要がなくなるので、サイトから個人情報を削除するとしている。
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