2009年に話題になったキーワードの一つが「クラウドコンピューティング(クラウド)」。個人ユーザーはもちろん、企業でも利用が進み、今後もその動きは加速するだろう。その一方で、クラウドの「暗黒面」が指摘され始めた。攻撃者による悪用だ。ユーザーに便利なサービスは、攻撃者にとっても便利なのだ。
クラウドとは、コンピューターの資源(ソフトウエアやハードウエア)をインターネット経由で提供する考え方、あるいはその仕組みやサービスのこと。インターネットに接続できる環境さえあれば、ソフトやハードを持たなくても、必要なサービスを受けられる。
身近な例としては、グーグルが提供するWebメール「Gmail」や地図サービス「Googleマップ」などが挙げられる。これらのサービスでは、ソフトウエアの機能をインターネット経由で提供する。
2008年以降は、ソフトウエアを動作させる“土台”を提供するクラウドが話題になっている。ユーザーは、サーバーやデータベースといった土台を借りて、自分が開発したソフトウエアなどをインストールし、他のユーザーがインターネット経由で利用できるようにする。実際、こういったクラウドを利用して、商用サービスを提供する企業が増えている。
クラウドの一番の特徴は、「費用対効果に優れる」(セキュリティ企業ラックのサイバーリスク総合研究所所長を務める新井悠氏)こと。クラウドを提供する企業は、大量のコンピューター資源を用意し、それらを多数のユーザーに“切り売り”する。このため、ユーザーごとにサーバーを用意する場合と比べると、資源の“単価”が安くなる。
これに目を付けたのは、インターネットでビジネスをしたい企業だけではない。2009年以降、攻撃者や迷惑メール送信業者といった、ネットの「闇の住人」も活用するようになっているという。
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