地上デジタル放送の視聴に使われる「B-CASカード」の新ラインアップとして、携帯電話のSIMカードサイズの「miniB-CAS」が発行される。発行元であるビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)は既に機器メーカーからの発行申請を受け付けており、早ければ2009年11月上旬にも発行を始める見通し。
miniB-CASは、電波産業会(ARIB)が2009年3月18日に発行した「デジタル放送におけるアクセス制御方式標準規格(ARIB STD-B25 5.1版)」において、既存のB-CASカードに追加する形で「Plug-in SIM形状のICカード」として規定していた。カード発行や対応機器開発のための準備期間を経て、11月に発行を始める方針が打ち出されていた。
対応機器の準備も進んでいる。複数のパソコン周辺機器メーカーが、きょう体を大幅に小型化した地デジチューナーの開発を進めており、miniB-CASが発行され次第量産出荷を始める意向だ。USB端子を経由してPCに外付けするタイプの地デジチューナーは、これまでB-CASカードのサイズがネックとなり、きょう体の小型化ができなかった。miniB-CASの発行開始に伴いサイズの制約が大幅に緩和されることから、メーカー各社は現行製品と同等性能できょう体サイズの小型化に注力し、ノートPCで手軽にハイビジョン画質の地デジ番組を視聴したいというライトユーザーの需要創出を目指す。小型地デジチューナーにロッドアンテナを付属する製品も計画されており、強電界地域であれば外出先などでもノートパソコンでフルセグの地デジが視聴可能になる。
携帯電話メーカーも、miniB-CASを使いフルセグの受信・視聴が可能な携帯電話機の開発を進めている。携帯電話機のディスプレイで854×480ドットなどの高解像度パネルの採用が増えている一方、ワンセグの解像度は320×180ドットにとどまるため、フルセグを受信可能にすることで映像画質の向上を図る。携帯電話機のきょう体サイズでフルセグを安定的に受信するための技術や、消費電力を抑えるための技術など課題もあり、「フルセグ携帯関連のminiB-CASの発行申請は遅れているようだ」(メーカー関係者)とするが、業界関係者の間ではフルセグ対応の携帯電話機の開発元として大手電機メーカーの名が取りざたされており、近く製品化される可能性もある。
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