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【IDF 2009】Intel、携帯端末用OS「Moblin」の新版を公開

2009年9月26日

「あとで読む」機能の使い方
 
Intelは、Atomを使うPCやMID(Mobile Internet Device)、車載機器や組み込み機器などにMoblinを使っていく予定だという。
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「Moblin Core」は、Linuxをカーネルとして各種のオープンソースソフトウエアを組み合わせてある。また、ドライバーや電力管理などは、Atomを使う「Menlow」や「Moorestown」(いずれも開発コード名)のプラットフォームに最適化させてある。
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Moblinでは、Linuxの標準システム構成(LSB、Linux Standard Base)などに準拠させ、さらに各モジュールのバージョンなどをはっきりと定める「Compliance」を作ることで、Moblinの各メーカーの実装で互換性の問題が出ないようにする。
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Moblinのロードマップ。2009年9月にv2.1が登場、2010年後半にv2.2、2011年までにはさらに機能を追加する予定だという。
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MID版Moblinのトップ画面(MyZone)。左端はランチャーでアプリケーションのアイコンを登録する。Moblinでは、メディアの閲覧やWebアクセス、ソーシャルネットワークなどの履歴や通知を管理しており、残りの部分に、将来の予定、現在の通知、過去の履歴などが並んで表示される。中央の現在の通知の部分はスクロールしないが、あふれたら右側の履歴欄に移っていく。
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Moblinは、MIDで縦長の画面にも対応する予定だという。
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ネットブックなどの比較的解像度の高いハードウエアでの表示例。アプリケーションのランチャーは左下になり、その上に将来の予定を表示する。残りの領域には、通知と履歴などがグラフィカルにサムネイル形式で表示されていく。一番上の部分は、ステータスバーを兼ねるツールバー。
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 Intelは2009年9月22日から24日(現地時間)まで米国サンフランシスコ市で開催した「Intel Developer Forum(IDF) Fall 2009」で、「Moblin」(モブリン)の新バージョン「v2.1」を公開、機能などをアピールした。Moblinは、IntelがAtomのために開始したオープンソースプロジェクトで、Linuxをベースに、ネットブックや「MID」(Mobile Internet Device)を作るためのOSとして提供されているソフトウエア。基調講演やセッションの情報を元にMoblinの最新情報をまとめた。

 Moblinとは、Linuxシステムの上に専用のGUIを乗せ、これに適合させたアプリケーションや通信マネージャー(制御ソフト)などを組み合わせたもの。既存のLinuxディストリビューションと組み合わせることも可能で、NovellやCanonicalといったLinuxディストリビューション企業もプロジェクトに参加、自社のディストリビューションにMoblinを適合させたものを提供している。

 Moblinの特徴は、「Clutter」と呼ばれるGUI機構。キーボードを持たないMIDでも使えるように、タッチパネルだけでも操作できるようにしている。Intelの狙いは、MIDを開発するための基本的なソフトウエアの提供で、Moblin自体、Atomを使うプラットフォームに最適化されており、効率的な電力管理や、通信制御などが可能になっている。

 Moblinは、2.0でClutterを正式に採用したが、元々は英国のOpenedHandが開発したものだ。Intelは、Moblinのために同社を買収し、現在は、Moblinの一部として無償で提供している。IDFで発表になったv2.1は、MIDのように液晶ディスプレイの解像度がそれほど高くなく、タッチパネルになった機器向けのGUIを装備したバージョン。従来は、ネットブック程度の解像度を持つデバイス向けになっていた。ディスプレイの解像度があまり高くないことを前提に、GUIは一部変更になった。 スマートフォンなどである縦長画面での利用も想定している。

 IDFでは、Moblinのロードマップも示され、今後の追加される機能も明確になった。v2.1では、MID向けのGUIに対応し、携帯電話系通信デバイスの制御スタックを提供する。タッチパネル向けにジェスチャーにも対応した。Moblinは、ネットブックなどにすぐインストールできる「Live Image」を配布しているが、v2.1は開発者向けの早期提供版という扱い。バージョン番号は進んだが、完成したわけではないようだ。次のv2.2では、重力やGPSなどのセンサーに対応し、カレンダーなどのシームレスな同期機能が提供される予定だ。

「コンプライアンス」で互換性を確保

 Moblinは、単体で一種のディストリビューションでもある。Moblinを構成するうえで必要なコンポーネントなどを定めており、これを「Moblin Core」と呼んでいる。Core以外の部分は自由に追加できるため、先に述べたように既存のLinuxディストリビューションと組み合わせることもできる。ただ、組み合わせるディストリビューションの違いにより、互換性が失われるケースもある。例えば、あるシステムでうまく動いていたソフトウエアが別のディストリビューション上ではエラーになったりする。これは、ディストリビューションごとのモジュールやライブラリー、付属ソフトウエアのバージョン、フォルダ構成の違いなどが原因となる。

 こうした問題を避け、アプリケーションのバイナリーでの互換性を確保するため、Moblinでは、「Moblin Compliance」(遵守事項)を定義中だ。ここで、Linux関連の共通仕様(LSB、Linux Standard Base)のどのバージョンを使うのか、各コンポーネントのバージョンはどうあるべきかを定めている。Moblin Complianceに準拠したディストリビューションなら、Moblin用のアプリケーションは、Moblin対応の各社の製品で互換性の問題無く実行できるようになる。しかも、Atomを前提としているため、バイナリーレベルでの互換性が維持できる。

 Moblinは、Atomを使うネットブック、ネットトップ、MID用のOSとして使われるほか、IDF期間中にIntelが発表した家電向けプロセッサー「CE4100」などでも利用されるようだ。また、IntelはAtomを使った次のプラットフォーム「Moorestown」(開発コード名)で、スマートフォンやMIDの展開に期待しているという。Intelは、Moorstownプラットフォームへのソフトウエアの移植は、Moblinがベースとなるとしている。MIDのOSはMoblinを優先するようだ。


(塩田 紳二=テクニカルライター)
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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