第1回と第2回で繰り返し、Snow Leopardは見た目は従来と大きく変わらないが、しかし、その中身は今後10年、変化し始めたコンピューティング環境に適応するための進化を遂げた、それがSnow Leopardだと紹介した。寒い高地の冬も越える過酷な環境への適応性を、一歩前へと進んだ64ビット化、CPUコア増加への対応、GPUパワーの活用といった機能をプラットフォームに仕込んだわけだ。
しかし、だからといって見た目や操作性がLeopardと全く同じというわけではない。雪豹と豹が明確に異なるように、Snow Leopardのユーザーインタフェースも、少しづつ違いがあるからだ。機能や基本的な見た目、操作性のバランスは変えていないが、変更点の中には重要な部分もある。
Mac OSに詳しい方ならば、旧Mac OS用ソフトからの移植性が高いCarbonというAPIセットと、本来のMac OS Xのパフォーマンスを引き出せるCocoaというAPIセットの2種類が存在することを知っているはずだ。当然、Mac OS Xに標準で添付されるユーティリティやアプリケーションはすべてCocoaで作られている…と思いきや、実は肝心要のFinderが、これまではCarbonで作られていた。
ちなみに、Leopardの世代でCocoaは64ビット化を果たしていることもあって、Snow LeopardのFinderはCocoa化すると共に64ビットソフトウエアとして書かれるようになった。と、これは本当に大きな違いなのだが、ユーザーが直接変化を感じることは少ない。変化したのは、プログラムの向こう側にある、ユーザーからは見えない部分だからだ。
しかし、実際の使用感は大きく変わった。例えば、従来のFinderは“キャンセル”というボタンをクリックしても、なかなかキャンセルされずにFinderの操作が止まったままになることがあったが、Snow Leopardではキャンセルボタンを押すと素直に終了してくれる事がほとんど(すべてのケースというわけではない)。ゴミ箱を空にする操作も格段に速くなった。
さらに使い続けていると、起動直後、デスクトップを再描画する際のアイコン描画が明らかに高速化されていたり、メモリードライブや新しいディスクをマウントした時の認識速度といった部分まで、あらゆる面でチューニングされていることに気付く。
これらをまとめ、アップルは「64ビット化とCocoa対応が進んだため」と説明する。たしかにCocoa対応がパフォーマンス(特にキャンセル機能や並行して複数機能が走る場合など)を向上させているのは確かなのだろう。しかし、実際には丁寧に作り込んで熟成を重ねたからと言う方が正しいように思う。
あれ? 新機能はなし? いやいや、一つだけ追加されている。右下のスライダーを動かすと、アイコンサイズがとても大きくなるはずだ。Windows Vistaでも同様にサイズが大きくなるが、標準でプレビューできるファイルの種類は意外に少ない。その点、カバーフローでも分かる通り、Snow Leopardでは、PDFやOffice文書など、かなり多くのファイルが精細なプレビューとして閲覧可能だ。さらに、アイコン上でPDFファイルのページをめくることまでできてしまう。
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