2009年6月4日
塩田 紳二=テクニカルライター
6月3日、IntelはCOMPUTEX会場で、Atomプロセッサー向けに開発したMID(Mobile Internet Device)向けLinuxである「Moblin」の関係者を集めたイベントを開催した。
Moblinは、Atomプロセッサーを使うMID用のLinux実行環境。MIDは、Windowsを動かすことを前提にしたネットブックよりは簡易なハードウエアを想定しており、CPUならAtomシリーズのZシリーズがメインとなる。
Moblinはバッテリー駆動用に最適化してあり、起動時間短縮、画面タッチによる操作などを考慮したLinux上の実行環境の1つ。完全なディストリビューションというよりは、各種のディストリビューションと組み合わせてMIDで利用することを想定している。既にMIDはいくつか出荷されており、例えばクラリオンの「MiND」がMoblin 1.0ベースのLinuxを採用している。
Moblin 2.0は、タッチパネルを使う独自のユーザーインターフェースを定義している。これは、複数のアプリケーションを画面切り替えなどを使って動作させるもので、Webブラウザー、メディアプレーヤー、通信管理、ソーシャルコミュニケーション、メール/チャットなどのコミュニケーションなどを、メニューで切り替えて利用する。
メニューは隠れており、画面上部をタッチすると表示される。アイコンをタッチするとサムネイルが表示され、サムネイル選択で、画面が切り替わる。Webブラウザーであれば、メニューにある二重丸アイコンをタッチすると、開いているページのサムネイルが表示されるとともに検索/URL入力欄が表示される。このメニューやサムネイルは、元の画面表示の上に3次元的に重なるように表示される。
ホーム画面の「myzone」も特徴がある。ここには、メールや最近使ったファイル、メディア、メッセージなどのサムネイルが表示され、左側に予定表示やアプリケーションへのショートカットなどが配置される。
Androidと大きく違うのは、あくまでも通常のLinuxの枠を変えずに、MID用に最適化していること。ユーザーインターフェースは、GTKやQTと3D UIライブラリ(Clutterと呼ばれる)を組み合わせて構築している。また、通常のLinuxやX Winodwベースのアプリケーションも利用可能だ。
Webブラウザーに対応する「Internet」アイコンをメニューから選ぶと、URL/検索欄と、既に開いたWebページのサムネイルが表示される。これらの表示は、下のアプリケーション表示の上に三次元的に重なる |
前日に開催したショーン・マローニ氏の基調講演では、Moblin環境の中でAndroidを動作させるデモも行われた。Androidアプリケーションを動作させることができ、Androidマーケットからダウンロードしたソフトウエアを実行してみせた。
本体デザインだけだが、小型のMIDも披露された。今後登場する予定の次期Atom「Moorestown」(開発コード)を採用した、次期Atomプラットフォームによる試作機だろう。Intelは6月4日、Atom Zシリーズを扱うUltra Mobilityグループ副社長のアナンド・チャンドラシーカ氏の講演を予定しており、ここでMoorestownに関するアナウンスが行われる予定だ。
Moblin Executive Summitには、Asianux、Novell、Canonical、Linpus、XandrosなどのLinuxディストリビューション企業やハードウエアメーカー、Linux Foundationなどの関係者が参加した。昨日Android採用を発表したAcerや、Qualcommの携帯端末向けプロセッサーSnapdragonを採用した試作機を展示したASUSTeK Computerの2社が参加しているところは興味深い。
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