「低価格ミニノートは、本来想定されていた新興国や文教向けではなく、先進国の2台目需要を中心に盛り上がっている。しかし、今の低価格ミニノートはユーザーが不満を持ち、リピーター層を生み出すことができない。低価格ミニノートの本質が変わらなければ、2〜3年後に先進国でのブームは去るだろう――」。ディスプレイサーチの氷室英利ディレクター・IT市場担当アナリストは、2009年1月29日に開催された同社セミナーでの講演でこう語り、低価格ミニノートの市場に警鐘を鳴らした。
同社推計によると、2008年の全世界における「ミニノートPC」の出荷台数は1500万台。2009年は対前年比75%増の2700万台まで増加する見込みだ。地域別では欧州向けが全体の半数以上を占め、2008年は800万台、2009年は1400万台に上るという。同社では、10.2型以下のノートパソコンを「ミニノートPC」として定義づけている。この大半は、ASUSTeK Computerの「Eee PC」やAcerの「Aspire one」など、IntelやMicrosoftの規定によりOSやハードウエア仕様の限られた「ネットブック」と呼ばれる製品である。ネットブック以外に、富士通の「FMV-BIBLO LOOX U」やソニーの「VAIO type P」といった製品も「ミニノートPC」のカテゴリーに含まれる。
2007年から2008年夏ころまでは、台湾メーカーが主導となって低価格ミニノートの市場を開拓してきたが、2008年秋以降は米国や日本などの大手メーカーが相次いで低価格ミニノート市場に参入し、群雄割拠の状況になっている。これは、メーカー各社が採算性確保よりシェア確保を優先して、こぞって出荷台数を増やそうとしていたためだ。
ただし氷室氏は、低価格ミニノート市場が無尽蔵に拡大するわけではなく、2010年ころを境に成長率が鈍化すると見積もっている。その理由として氷室氏は、収益性の悪化、新興国・文教市場での需要低迷、そして先進国におけるブームの沈静化を挙げる。

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