電通の上席常務執行役員メディア・コンテンツ本部副本部長、杉山恒太郎氏は2008年6月11日、千葉県・幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2008」で基調講演を行った。この中で、杉山氏はユーザーの携帯電話の使い方に着目。携帯メールを両手打ちで入力するのか、片手打ちで入力するのかで、それぞれのユーザーのライフスタイルが大きく異なると主張した。
杉山氏は、10代の女性の42.9%、20代女性の25.3%が携帯メールを両手打ちで入力するというデータを示した。対して、40代や50代で両手打ちする割合は10%以下。これが、携帯世代とパソコン世代の差だという。
テレビを見ながら、パソコンを使う人々のことを「ダブルウインドウ族」と呼ぶ。しかし、携帯を両手打ちする若者は、テレビを見ながら、パソコンを使い、そして携帯を操作する。杉山氏は、こういった若者を「トリプルウインドウ族」と名付けた。「彼らは、物心ついたときから携帯電話が身近にある。家庭用ゲーム機で養った感覚で、携帯でメールを打つときも素早く両手打ちし、メールでコミュニケーションする。彼らにとって携帯電話は『もしもし』と話すための電話機ではなく、モバイルコミュニケーションのツールなのだ」(杉山氏)。
杉山氏は、「こういった若者にとって、携帯は『疑似お茶の間』の役割を果たしている」とも主張する。若者に人気の高い動画投稿サイト「ニコニコ動画」との組み合わせで、携帯が疑似的なお茶の間になるのだという。「テレビというメディアの本質は、見る人みんなでコンテンツを共有し、ツッコミを入れたりしながら、感情を共有するところにある。昔は、お茶の間でこういったことが行われていた。今は、ニコニコ動画+携帯がその代わりになっている」(杉山氏)。
動画投稿サイトとしては、YouTubeもある。しかし、杉山氏は「お茶の間で起こっていたコミュニケーションを、ネット上で再現したのはニコニコ動画。YouTubeにはこれがない」と語り、「ニコニコ動画の管理人は、テレビのメディアとしての本質をよく理解している」と、同サイトの運営会社「ニワンゴ」の取締役である、ひろゆきこと西村博之氏を高く評価した。「ひろゆき氏はテレビだけでなく、若者のライフスタイルもよく研究しているようだ」(杉山氏)。
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