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2008年6月5日 page:1/4次へ

【詳細版】Atom 230とCeleron、Core 2、Athlon X2を比較

西村 岳史=日経WinPC

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
Atom 230を搭載したD945GCLF。ファンが付いているのはMCH。BIOS表示では高回転だったが、実際はさほど回転が高くなさそうで、静かだった
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CPU情報表示ソフト「CPU-Z 1.45」による、Atom 230の仕様。Hyper-Threadingを有効にしているため、「Core」が1で、「Threads」が2になっている。
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CPU-ZによるCeleron 220の情報。動作周波数は1.2GHz。CoreマイクロアーキテクチャーのCPUで、SSSE3や64ビットに対応する。
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CPU-ZによるC7の情報。FSBは100MHz×4の400MHz。拡張命令はSSE3までをサポートする。
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【グラフ1】「Sandra XII.2008.SP2c」のCPU関連テストの結果。グラフはCeleron 220の結果を100%として相対値で表した。230はSSE2を使った浮動小数点演算は速いが、整数演算はCeleron 220のおよそ8割弱の性能だ。
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【グラフ2】SandraのCPU関連テストのスコアを動作周波数で割ることで、クロック当たりの演算性能の算出を試みた。Multi-Media Float x4 iSSE2のテストでは、Celeron 220との差が小さい。
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【グラフ3】Sandraにおける、キャッシュとメモリーの転送速度を測定するテストの結果。1次キャッシュ内の32KBまではCeleron 220と大差があるが、2次キャッシュ領域の64KB以降は差が縮まる。
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【グラフ4】円周率計算ソフト「スーパーπ」の104万けたを実行したときの処理速度の違い。テスト自体はシングルスレッドなのでコア数は無関係。Celeron 220の7割弱の性能だ。
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【グラフ5】3Dレンダリングソフト「CINEBENCH R10」のテスト結果。C7-D、Celeron 220は「Single CPU」、そのほかは複数コアを使う「Multiple CPU」の結果を掲載した。2スレッド実行できる恩恵か、Celeron 220との性能差が縮まっている。
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【グラフ6】アプリケーションコンポーネントを使うベンチマークソフト「PCMark05」のCPU、メモリー、HDD関連テストの結果。Celeron 220のチップセットはSiS製でHDD周りの性能が高くない。
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【グラフ7】動画エンコードソフト「TMPGEnc 4.0 XPress」を使い、1分間のDV形式のAVIを、平均4Mbps、最大8MbpsのVBRでMPEG-2に変換した。230はCeleron 220を上回る性能を示した。
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【グラフ8】各プラットフォームのシステム全体の消費電力。右端の「負荷時」は、PCMark05において4スレッドを同時に実行する「MultiThreaded Test 2」を実行したときの値。Atom 230はアイドル時と負荷時で消費電力がほとんど変わらない。
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 2008年6月4日、Intelの低消費電力CPU「Atom 230」を搭載したMini-ITX規格のマザーボード「D945GCLF」が発売された。実勢価格は8000〜1万円。CPUを実装したMini-ITXマザーボードの初物としては、相当に安い魅力的な製品だ。日経WinPCはこのD945GCLFを入手、IntelやAMDのほかのCPUを交えて、Atomプラットフォームの性能や消費電力を測定した。本記事は、先日お伝えした速報版に評価対象のCPUとテスト項目を追加して、書き下ろした内容となっている。速報版と合わせてお読みいただきたい。

 230は、Atomシリーズのうち主に低価格デスクトップPCでの採用を狙ったモデル。動作周波数は1.6GHz、FSBは533MHz、1次キャッシュは命令32KB+データ24KBの構成で、512KBの2次キャッシュを備える。シングルコアCPUながら、2つのスレッド(プログラムを実行する単位の一種)を同時に実行するように見せかけるIntelの独自技術「Hyper-Threading」を搭載しており、ソフトウエアからはデュアルコアCPUのように認識される。

 230は、負荷に応じて電圧と動作周波数を切り替える「拡張版SpeedStep」は実装していないが、TDP(熱設計電力、実使用上の最大消費電力とみなせる)は4Wと、一般的なPC用CPUと比べると非常に低い。Atomにはこのほか低価格ノートPC向けの「N270」(1.6GHz、FSB533MHz、省電力機能あり、TDP2.5W)と、携帯情報端末向けの「Z500シリーズ」(TDP0.6〜2.4W)がある。また今後は、ダイ(半導体本体)を2個搭載し、ソフトウエアからはクアッドコアCPUに見えるバージョンも登場する見込みだ。

 Atomは消費電力を下げるために、Intelの主力CPUで採用している「Coreマイクロアーキテクチャー」とは全く異なる設計にした。複雑な命令制御機構を排したシンプルな設計で、同じ動作周波数なら、CoreマイクロアークテクチャーのCPUより性能が低くなるのは確実。CoreマイクロアーキテクチャーのCPUから、消費電力と性能のバランスがどう変わったかが評価のポイントになる。

Atom 230と組み込み向けCeleronやVIA C7、Core 2 Duo E7200、Athlon X2 4805eをテスト

 テストに使用したマザーボードとCPUは以下の通りだ。

  • 【Atom】D945GCLF(Intel、Atom 230オンボード、Intel 945GCチップセット搭載)
  • 【Celeron】D201GLY2A(Intel、Celeron 220オンボード、SiS662チップセット搭載)
  • 【C7】MM3500(VIA、C7-Dオンボード、CN896チップセット搭載)
  • 【Core 2 Duo】GA-G33M-DS2R(GIGABYTE TECHNOLOGY、Intel G33搭載)+Core 2 Duo E7200(2.53GHz、FSB1066MHz、2次キャッシュ3MB)
  • 【Athlon X2】JW-RS780UVD-AM2+(J&W Technology、AMD 780G搭載)+Athlon X2 4850e(2.5GHz、TDP45W)

 D945GCLFは、グラフィックス機能を内蔵したIntel 945GCにICH7を組み合わせたマザーボード。対応メモリーはDDR2-667/533で最大2GBが利用できる。拡張スロットはPCIが1本。USB 2.0×6(背面×4、ピンヘッダー×2)、Serial ATA 3Gbps×2のほか、シリアル、パラレル、PS/2のキーボードとマウス、ミニD-Sub15ピンのアナログRGB出力端子などを備える。Realtek SemiconductorのALC662による4チャンネルオーディオや、100BASE-TXのLAN機能も搭載している。

 Celeron 220はIntelが主に組み込み用途向けに出荷しているシングルコアCPU。製造プロセス65nmのCore 2シリーズと同じ、Coreマイクロアーキテクチャーの製品だ。動作周波数は1.2GHz、FSBは533MHz。1次キャッシュは命令32KB+データ32KB、2次キャッシュは512KB。TDPは19Wと、一般的なノートPC向けCPUよりは低いもののAtomに比べれば高い。D201GLY2Aはおよそ1万3000円で販売されている。

 C7は、VIA Technologiesの低消費電力CPU。MM3500が搭載するC7-DはFSB400MHz、1.5GHzで動作する。TDPは20W以下。ノートPC向けのC7-Mは、日本ヒューレット・パッカード(HP)の小型ノートPC「HP 2133 Mini-Note PC」が採用して話題になった。VIAは既にC7の後継として、性能を強化した「Nano」を発表している。MM3500の実勢価格は店舗によって幅があるが、1万円を切っているところもある。

 Core 2 Duo E7200とAthlon X2 4850eは比較のために用意したデスクトップPC向けデュアルコアCPU。E7200は、最新の45nmプロセスで製造した安価なCPUとして選んだ。実勢価格は約1万5000円。TDPは上位のデュアルコアCPUと同じく65Wだ。Athlon X2 4850eは、AMDが低消費電力版としてラインアップしているモデル。TDPが45Wと低いうえ、実勢価格が1万円と手ごろなため、店頭で人気となっている。

 いずれも、マザーボードはグラフィックス機能内蔵のチップセットを搭載した一般的なタイプ(実勢価格は1万円台前半)で、消費電力を削減する機構を特に搭載しているわけではない。IntelとAMDの両プラットフォームにおいて、性能を維持しつつも消費電力が低めの構成がいい、と思ったときにお薦めしやすいパーツだ。

 CPUとマザーボード以外は以下のパーツで統一した。

  • 【メモリー】DDR2-800 1GB×1(JEDEC準拠)
  • 【HDD】WD Caviar GP 500GB(Western Digital、WD5000AACS)
  • 【電源ユニット】EARTHWATTS EA-430(Antec、430W)
  • 【OS】Windows XP Professional Service Pack 3 32ビット日本語版 ※可能なプラットフォームでは省電力機能を有効にした

 Core 2 Duo E7200やAthlon X2 4850eを使ったPCでは、メモリーをデュアルチャンネル構成にするのが常識だが、今回はAtom 230、Celeron 220、C7-Dの各プラットフォームと条件をそろえるため、あえてメモリー1本のシングルチャンネル構成にしている。デュアルチャンネルにすれば、以下に掲載した結果よりも高い性能を示すテストもある。逆にデュアルチャンネル構成時の消費電力は、掲載した結果よりもメモリーモジュール1本分(電源ユニットでの損失も含めておよそ1〜4W)上昇することになる。

 今回のテストではメモリーにDDR2-800チップのモジュールを使用したが、Celeron 220やAtom 230のプラットフォームでは標準状態でDDR2-533として動作していた。モジュールのSPDにDDR2-667の設定がなかったためとみられるが、今回テストした230プラットフォームでは、BIOS設定画面でメモリーの速度を「Automatic」にしていると、DDR2-667モジュールでもDDR2-533で動作する状態だった。ところが、手動で667MHzに設定すると起動しなくなってしまった。

 ジャンパースイッチを「Configuration」に切り替えて起動し、BIOS設定画面で再びAutomaticにすれば復旧できたものの、やはり667MHzでは動作しない。別のDDR2-800モジュールでも同様にDDR2-667では動かなかったため、ここではDDR2-533での結果を掲載している。いずれのマザーボードも仕様としてはDDR2-667をサポートしている。DDR2-667で動くモジュールを使えば、一部のテストで性能が向上するだろう。


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