セキュリティ企業の米シマンテックは2008年4月25日、アンダーグラウンドで売買されるコンピューターウイルス(マルウエア)の実態について報告した。通常のソフトウエアと同じように使用許諾契約書が存在し、契約に違反すると、そのウイルスを対策ソフトメーカーに報告するとしている。
現在では、攻撃ツールやウイルスといった悪質なソフトウエアがアンダーグラウンドで売買され、実際に悪用されている。そういったソフトウエアは、当初は有料で購入されるものの、購入した人物によって“不正”にコピーされ、無料で配布されることがほとんどであるという。
そこで、そういったソフトウエアの開発者は、通常のソフトウエアと同様に使用許諾契約書を用意し、購入者にコピーや配布などを禁じているという。今回、シマンテックが報告したのは、「Zeus(ゼウス)」と呼ばれるウイルス(ボット)のパッケージソフト。ウイルスの作成ツールや管理ツールなどが含まれている模様。このソフトにも、使用許諾契約書が用意されている。具体的には、無断配布や逆アセンブルなどを禁止している。
使用許諾契約の条項自体は、通常のソフトウエアとほぼ同じ。ただし、契約に違反した場合の対応が異なる。契約に違反した場合には、「ユーザーはテクニカルサポートを受けられなくなる。加えて、(同ソフトウエアで作成される)ユーザーのウイルスのバイナリーコードをウイルス対策ソフトメーカーにすぐに報告する」としている(図の赤線で囲まれた部分)。契約に違反したユーザーのウイルスは、対策ソフトで検出されるようにするというのだ。
シマンテックのスタッフは、「このような警告で、無断コピーなどを禁止できると本気で考えているのだろうか」とコメント。こんなことを記載しても、強制力はほとんどないだろうとみている。
実際、このパッケージソフトがリリースされた直後から、アンダーグラウンドのフォーラム(Webサイト)において、このソフトが無料でやり取りされているという。同社スタッフは、「アンダーグラウンドの住人に、著作権を守らせることなどできない」と結んでいる。
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