安いんだから、四の五の言わずにドカンと入れよう──。PART1でこう言ったものの、それで納得できない読者諸兄姉が多々いらっしゃるのは重々承知。そこでPART2ではタスクマネージャを使いながら、Windowsパソコンにおけるメモリーの使われ方についてさらに詳しく見ていこう。メモリー不足でパソコンが遅くなる理由、メモリー不足かどうかを判断する方法、ソフトごとのメモリー利用状況を観察する方法などを解説する。
パソコンにとってメインメモリーは一番重要な作業場所だ。パソコンの頭脳であるCPUは、チップセット(周辺機器制御回路)を介して直結されたメモリーにしかアクセスできない。ここで言うメモリーにはPART1で述べたメインメモリーのほかに周辺機器の制御用メモリーもあるが、ほとんどの計算処理はメインメモリーで行われる。重要なのは、メインメモリー(主記憶)はハードディスクなどの「補助記憶装置」とは別物だということ。ハードディスクなどに保存されたデータは非常に複雑なプログラムを経て読み書きしており、その役目がメインメモリーとは根本的に違う。例えて言えば、メモリーは「まな板」でハードディスクは「冷蔵庫」。冷蔵庫で直接料理はできない。それと同じように、CPUはあらゆるプログラムやデータをメインメモリー(以下、メモリーと略す)の上に展開して処理する。
だが、このまな板は大きさに限りがある。たくさんのプログラム(プロセス)を起動したり、データファイルを次々に開いていくと、限りあるメモリーがどんどん消費されていく。ところがWindowsでは、後から起動したプログラムが「込み合っています」という理由で起動を断られることはめったにない。実は、Windowsはできる限り多くのプログラムを実行させるために、使用頻度の低いメモリー上のデータを一時的にハードディスク上に退避させる仕組みを備えている(図14)。これを「仮想メモリー」という。
| ●メモリーに入り切らないデータはハードディスクに退避させる |
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図14 メインメモリーは少ないので全プロセスのすベてのデータは置けない。Windowsは使用頻度の低いデータをハードディスクに退避させて空きを作り、なるべくたくさんのプロセスが同居できるようにしている。退避させたデータが必要になったらハードディスクから読み出して復帰させる
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退避が始まると、ハードディスクへの書き込みが発生し、アクセスランプが活発に点滅する。また、後で退避させたデータが必要になると、それをメモリー上に復帰させるので、そのときもアクセスランプが活発になる。要するに、まな板に載せきれない調理中の食材をこまめに冷蔵庫へ保管し、必要に応じて取り出すようなものだ。
ハードディスクへの退避はパソコン全体の処理に遅延を発生させる。退避させる回数やデータ量が少ないほど、この余計な負荷は小さくなる。メモリーがたくさんあれば、退避が必要な場面は減り、ユーザーの体感速度はアップする。
メモリー上のデータを退避させるタイミングだが、通常はメモリーが使い尽くされるまで待つことはない。実は、メモリー上のデータにはアクセス履歴を基にした優先順位が付けられていて、当面処理することがなさそうなデータから順にハードディスク上に退避させ、メモリーには常に空きが確保される仕組みになっている。優先順位は状況を見ながら決められるため、ユーザーが行った操作や時間の経過とともに変化する。こうした理由から退避と復帰のタイミングは完全には掌握できない。ハードディスクのアクセスランプが激しく点滅していても、必ずしも退避、復帰が原因とは言い切れない。
ただ、はっきりと体感できるのは、新たなプログラムを起動したときだ。メモリーの空きが少なければハードディスクへの退避が起こる。また、前面にあるウインドウを切り替えたときも比較的顕著。今までずっと使われずに退避されていたウインドウのデータがメモリー上に復帰されるからだ。最小化して非表示だったウインドウをタスクバーから復帰させたとき、まるでフリーズしたかのようにパソコンが遅くなることがあるが、これも退避と復帰の影響だ。
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