「YouTube」などの動画投稿サイトで大きな話題を呼んだ「PIKAPIKA」という動画がある。デジカメで長時間露光し、空間に絵を描くようにペンライトを振って光の軌跡を写真に残す。こうして何枚も撮った写真を、パラパラ漫画の要領で連続再生したのがPIKAPIKAだ。PIKAPIKAを世界に発信する映像ユニット「トーチカ」のナガタタケシ氏とモンノカヅエ氏に話を聞いた。
誕生のきっかけは、アニメーションの制作過程を教えるワークショップだった。当初はコマ撮りアニメを作ろうと思ったが、一般の参加者にとっては絵を描くこと自体が高い壁だ。そこで、「たまたま夜だし、外で懐中電灯を振って写真を撮ってみよう」という発想から、PIKAPIKAは生まれた。
それからは、夜に仲間と遊びながら制作するようになった。初めて本格的に制作した作品が海外の映画祭で特別賞を受賞。それを皮切りに、PIKAPIKA の知名度は世界的に高まっていった。さらに、デジタルカメラや動画投稿サイトの普及が大きな影響を与えた。デジカメとパソコンを使えば、一般の人でも同じような映像を作れる。挑戦する人が次々に現れ、PIKAPIKAはさらに盛り上がった。YouTubeで検索すれば、さまざまな人たちが作った PIKAPIKAを見られる。PIKAPIKAに感動した人々は、自分たちでPIKAPIKAを作りたくなるようだ。トーチカの2人は、PIKAPIKA を作る人が増えることについて「大歓迎」と口をそろえる。「誰にでもできるものだし、輪が広がっていくのはとてもうれしい」と言う。
失敗を「ハッピーアクシデント」と呼ぶことからも分かるように、光の落書きは失敗が逆にいい味になる。CGでは難しい、人間がフリーハンドで描いたエラー感がいいという。トーチカの次なる目標は、水中PIKAPIKA。光がほとんど届かないような深い海でやってみたい、と目を輝かせた。

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