10月12日、静かにサービスが始まったアップルのクラウドサービス「iCloud」。iPhone、iPadなどさまざまなモバイルデバイスとインターネットのどこかにあるクラウドサーバーがシームレスに連動してくれるというものだ。MacやiOSデバイスのユーザーなら簡単に会員登録でき、メールや5GBのサーバーエリアが付いて、無料。iPhoneユーザーが既に1.5億人に迫ろうとしているいま、こんな太っ腹なサービスが本当にできるのだろうかと心配になるほどこのサービスはすごい。しかし、だからといってあなたの作業環境次第では、iCloudのサービスを受けるようにした途端、とても困ったことが起きる。まだもう少し環境整備が整うまでは手を出さない方がいい人もいるのを忘れないでほしい。
iPhoneで写真を撮ったら程なくiPadやMacにもその写真が忽然と姿を現す。これまではUSBケーブルで接続するか、サードパーティアプリ経由で無線同期させるかしかなかったのが、素のままのiOSデバイスでできる。特別なドライバーを入れたり、追加の設定をしなくてもよいということは、一般ユーザーにとってはうれしいことだ。サードパーティ製のアプリがあることは知っていても、それをどうやって探し出し、インストールすればいいのか、分からない、あるいはその時間が無い、という人がほとんどなのだ。
今年のWWDC(世界開発者会議)で故スティーブ・ジョブズ前CEO(最高経営責任者)が示して見せた通り、どれぞれのデバイスがリンクしながら無線ネットワークを使って自由に独立する。これまで、iOSデバイスを使いこなすには母艦となるパソコンが必須だったが、iCloud以降は各デバイスは独立して機能を完遂できる。この自由度は実際に使ってみると、本当にしばりのない快適な世界だな、と感ずる。iPhoneを使って電車の中でダウンロードしたアプリ、ニューススタンド売りの雑誌、楽曲など、家に帰るとiPadにしっかり納まっていてじっくりと落ちついて楽しめる。音楽などはAirPlayを使って、リビングのステレオでリッチなサウンドが楽しめる。これまでなら、母艦のMacを立ち上げて、iPhoneをUSBでつないでからデータを吸い上げ、次にiPadをつないで同期させる、なんて作業が必要だった(図1)。
iCloudの導入は簡単だ。単純にMac OS X Lionの「ソフトウェアアップデート」を実行するだけで、自動的にiCloudの設定画面が開く。接続の手順やID設定などはiOSやMac OS X(Lion)上で自動化されているから、言われる通りに作業を進めていけば問題なくiCloudは開始できる。また、MobileMeを使っていたユーザーもなんの障害もなく移行できる。デバイス間で写真を共有するフォトストリームも、カレンダー共有も実に快適、スムーズだ(図2)。
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