Windows VistaやWindows 7には「エクスペリエンス インデックス」というスコアを表示する機能があります(図1)。これは、「プロセッサ」「メモリ(RAM)」など、5つの項目ごとに「1.0」から「7.9」のサブスコアで性能が評価されます。数字が低いほど性能が低く、高いほど性能が高い、ということになります。
この機能を使えば、パソコンを構成する各パーツの性能が分かると思われるでしょうが、実は最新パーツの評価にはあまり適さないのです。
2011年1月に、「Sandy Bridge」(サンディブリッジ)の開発コード名で呼ばれていた新しいCPU、Core iシリーズが登場しました。最上位モデルはCore i7-2600Kで、実勢価格は2万8000円程度です。ところが、今回テストした結果では、このCPUを取り付けたときの「プロセッサ」のサブスコアは、1万1000円程度のCore i3-2100と同じ「7.5」でした。
スペック上ではCore i7-2600KとCore i3-2100には大きな差があります。Core i7-2600Kは4個のコアを搭載し、Hyper-Threading機能を使うことで最大8スレッド(スレッドはプログラムの実行単位の一つ)を処理するのに対し、Core i3-2100は2コア/4スレッド動作です。動作周波数は、Core i7-2600Kが通常時に3.4GHz。CPUに熱的余裕があるときに自動でコアの動作周波数を上げるTurbo Boost機能を搭載し、その際には3.8GHzで動作します。対するCore i3-2100は動作周波数が3.1GHzでTurbo Boost機能はありません。以上のような違いがあるにもかかわらず、Windows 7のエクスペリエンス インデックスでは全く差が付かないのです。
最新のSSDでも同様です。Serial ATA 6Gbps対応として最初に登場した「Crucial RealSSD C300」の64GBモデルを使ったときの「プライマリハードディスク」のサブスコアは「7.9」と最高値です。Crucial RealSSD C300の中では、大容量の128GBモデルや256GBモデルに比べ、64GBモデルは書き込み速度が遅いのですが、それでも最高値でした。その後Serial ATA 6Gbpsに対応したSSDが多数登場しましたが、それらが実際はCrucial RealSSD C300より速いとしても、エクスペリエンス インデックスでは分かりません。
一方で、最新製品と古い製品では、明らかな結果の違いが出ることもありました。ただし、最新の高性能なパーツを組み合わせて作る自作パソコンの世界では、エクスペリエンス インデックス以外の指標で性能を評価した方がよさそうです。
日経WinPC2011年7月号の特集『パーツ性能のすべて』では、主要なPCパーツの性能や消費電力を、さまざまなベンチマークテストを使って評価しています。エクスペリエンスインデックスでは分からない性能の違いや、今までよく分からなかった性能や消費電力の疑問について解説しています。ぜひご一読ください。
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