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2011年5月20日

Facebookが日本のネット文化を変える

久米 信行

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出典:日経パソコン 2011年4月11日号(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 「Facebook」が世界的に普及して、インターネット革命を加速しているとの報道が目立ってきた。一方で、実名が原則のFacebookは、匿名を基本とする日本のネット文化に合わないとの意見もある。日本では「mixi」や「GREE」が既に普及しているし、Facebookなどソーシャルメディアの使用を制限している大企業も多い。

 私も当初は日本でどこまで普及するのかは懐疑的であった。しかし、ここ数カ月の実体験を通じて、Facebookが日本でも他のソーシャルメディアと共存しながら、日本のネット文化を進化させると感じるようになった。その理由を7つ挙げてみよう。

1.ネットの達人がこぞって利用

 ソーシャルメディアでは、「どんな機能があるのか」よりも「誰が使い倒しているか」が重要である。最近では、私のTwitterフォロワー増加数よりも Facebookの友達承認数の方が多くなりつつある。しかも顔ぶれは、私が尊敬する経験豊富なネットの達人が目立つ。さまざまなツールを使いこなしてきた達人たちが喜々として情報発信をしているのは、Facebookの使い勝手や面白さに満足しているからだ。

2.実名でビジネス勝負のネット活用

 もともと実名でネット発信し、ビジネスに活用していた個人事業主・中小企業者にとって、Facebookは実に相性が良い。これまでのソーシャルメディアでは、実名で書く人が少なく、プロフィールも曖昧で、信頼できるパートナーを探すのが難しかったのだ。また、多くのサービスでは、ビジネス活用が禁じられていて、商人は嫌われてしまうのも困りものだった。

3.閉じた世界に限界もあるが安心

 Twitterがオープンで、見知らぬ人と広くゆるくつながっていくのに対して、Facebookはクローズドで、お互いに承認し合った人と深くつながるツールだ。新規顧客の開拓には向かないが、既存の顧客の深耕には向く。これまでメルマガを出していたような顧客と、もっと手軽に、こまめに、親密に情報を受発信できる。情報を会員や社員だけに知らせたいケースにも向いている。

4.メールと統合されてシームレス

 Facebookの友達承認やコメントの投稿など日々の活動は、設定次第でメールで受信が可能。コメントへの返信は、メールに返信するだけで済むので面倒がない。ソフトやWebページをわざわざ立ち上げなくとも気軽に使えることは、ソーシャルメディアにとって欠かせない要件だ。慣れ親しんだメールソフトにいわば寄生して、シームレスに使える点が便利である。

5.手軽な整理箱&情報告知ツール

 Facebookに写真やコメントなどをストックし、整理箱として使っている人は多い。さらにブログやYouTubeなど他のソーシャルメディアを活用していれば使い勝手は倍加する。例えば動画やブログ記事をアップしたら、そのリンクをFacebookに入力してコメントを添えるだけで立派な告知になる。先日、南欧を旅した際の動画で試したら、動画の視聴者もコメントも増えた。

6.スマホ&タブレット時代の必需品

 これからはスマートフォンやタブレット端末の活用が欠かせない。パソコンより手軽に、どこでも誰でも無線で常時接続し、楽しみながらビジネスに活用する時代が到来する。その時にはFacebookやこれに似たツールが、必須のキラーアプリとなろう。グループウエアの壁を超えて、名刺交換から業務連絡・情報共有などを公私混同でこなす万能ツールに進化する。

7.非常時の連絡網に威力を発揮

 今回、東日本大震災における安否確認の場面でも、Facebookは有効となった。私が地震に見舞われたのは、ちょうど日経の取材を受けていた時だったが、かなり時間がたってから記者の携帯電話に「無事か?」という確認電話があった。もし各自がFacebookに安否情報をアップしていたら、管理者は個別に電話しなくとも、ひと目で確認できたはずだ。また、最新の災害情報をFacebookで得た方も少なくないだろう。

著者プロフィール

【久米信行(くめのぶゆき)】
1963年 東京下町墨田区生まれ。慶応義塾大学経済学部平野ゼミで「中国経済」専攻。イマジニア(株)でファミコンゲーム「松本亨の株式必勝学」、日興證券(株)でAI資産運用/相続診断システム「ベストプランナー」の開発から飛込み営業、社内外研修講師まで担当。
現在は家業の国産Tシャツメーカー久米繊維工業(株)三代目として第二創業に取り組む。「オーガニックコットン・グリーン電力・手仕事の優しさ」と「Tシャツを自作して発信する喜び」を伝えることがライフワーク。目下の個人的な研究課題は「ICTを使ってどこまで...ヒトは、自在の境地に遊び、縁を楽しめるか!企業は、経営理念を貫き、絆を深められるか!」
【公 職】東京商工会議所墨田支部IT分科会長、明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師、特定非営利活動法人CANPANセンター理事、(株)カレン社外取締役、経営者会報BLOGプロデューサー
【受 賞】1997年日経インターネットアワード、2005年2006年経済産業省IT経営百選
【連 載】日経パソコン「焦点」、日経ITProWatcher「企業経営に生かすブログ道」、日経ベンチャーONLINE「経営者のためのIT道場」、ミック通販支援BLOG「お客様とコミュニケーションする!」、オールアバウト「Tシャツガイド」、経営者会報「社長のためのブログ道」
【著 書】NTT出版「メール道」、「ブログ道
【個 人】Tシャツ道日記ケータイblog縁尋奇妙メール久米曼荼羅縁尋動画スライド


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