2010年4月20日、韓国通信最大手のKTが電子書籍のオープンマーケット「Qook Book Cafe」オープンを発表した。アップルのAPP Storeと同じように、個人が書いたものでもKTの承認を得れば有料の電子書籍として販売できるようになる。電子書籍の料金回収手数料は30%で、本によって違う割合が適用される。読者は、一度購入した電子書籍をスマートフォン、電子書籍リーダー、IPTVから利用できる(今後韓国でiPadが発売されれば対応する方針)。電子書籍の値段はほかの販売サイト同様、紙本定価の6割程度となっている。
韓国ではPC通信時代、ユーザー投稿型連載小説が大ブームになった。日本のケータイ小説のような感覚で、会話のように書き込むのが特徴。ここから小説、ドラマ、映画になった作品もたくさんある(日本でも公開された映画「猟奇的な彼女」が代表と言える)。個人の書いたものが電子書籍として流通できれば、第二の小説投稿ブームが起きるかもと期待されている。
KTよりも一足早く電子書籍流通をリードしているのは、韓国最大の書店である「教保文庫」。サムスンと提携して電子書籍リーダー開発や端末の流通にも参加している。サムスンがこの4月に発売する初のAndroid端末「Galaxy A」には、教保文庫の電子書籍アプリケーションが搭載される。3.7型アクティブマトリクス有機EL(AMOLED)で野外でも鮮明な視認性で読めるだけでなく、8GBの外付けメモリーが使える。教保文庫で購入した電子書籍はサムスンの電子書籍リーダーとスマートフォンの両方から利用できる。
教保文庫は10年も前から電子書籍販売のために著作権を確保してきた。2010年4月時点で6万8000冊を流通させていて、毎月1000冊の電子書籍がアップデートされている。KTも4万冊ほど公開しているが、教保文庫がベストセラーや有名作家の書き下ろしをかなり確保しているのに対し、KTは古典に近い古い書籍や雑誌がまだ多いので、これといって読みたい電子書籍がないことがネックになっている。個人が書いたものを電子書籍として流通させることで、コンテンツを増やすのがKTの狙いというわけだ。KTは電子書籍で収益を上げるというより、新しい価値を続々提供することで既存顧客の離脱を防止するとしている。
電子書籍リーダーの価格競争も進み、1万円台で買える端末が発売された(既存の端末は3万円台)。目が疲れないよう配慮した専用端末が安くなったことで、電子書籍が買いやすくなったのも、大手企業参入のきっかけとなっている。教保文庫は8000円台の電子ペーパー端末を発売し、毎月4冊ほどの電子書籍を購入するユーザー向けに販売するとしている。さらに電子書籍販売拡大に向け、オーディオブック端末や動画ブック端末も提供する計画だという。
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