PC Online パソコン&モバイル、インターネット情報とソフトウエア活用サイト

本文へジャンプ

特設サイト一覧
ホーム > クラウド > サービス > 目次
ログインしていません
ログイン

2010年2月22日

PCになぞらえて脳を鍛える7原則

印刷ページ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Clip to Evernote
  • mixiチェック
「あとで読む」機能の使い方
出典:日経パソコン 2008年12月8日号(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 昨今のベストセラーには、脳を鍛えるたぐいの本が並んでいる。ニンテンドーDSでも大人の脳を鍛えるソフトが人気だ。情報も物もあふれているのに、なぜか自分の潜在能力を生かしきれていないと感じる人が多いからだろうか。

 先日『脳の自律システムの仕組みと性質』の著者、豊田 誠氏と恒例のランチ議論を交わした。豊田氏はかつて日立、富士通などで大型計算機のOSやシステム設計に従事し、現在は産業技術総合研究所サービス工学研究センターの招聘研究員を務める。脳とシステムの両方に詳しい豊田氏との「脳を活性化させる」議論の一部を、パソコンに例えて7つの原則にまとめてみた。

1.積極スワップで空きメモリー確保

 メモリーが大きいほど処理が速くなるのはご存じの通り。しかし大人になってから脳のメモリーを増やすのは難しい。だとしたら、いかに速く余計な情報をメモリーから削除してワークスペースを確保するかが大切だ。あれこれ悩みやひらめきを抱え込まずに、ブログなどに書き込むなり、ディスク保存するなりして脳を日々リセットしたい。

2.出力するほど入力が増える不思議

 ブログやメルマガ実践者なら体感している通り、情報発信(=出力)するほど入力も増える。ネタ探しでセンサー感度が上がる上、読者や縁者(=接続するネットワーク)が広がるからだ。脳を鍛える本やソフトも悪くはないが、むしろネタ探しで野山や街を歩いたり、ネット縁者と会った方が、入力情報の量と質が高まりそうだ。

3.常にCPU使用率100%で回せ

 脳がパソコンと違うのは、筋肉のように適度な負荷で鍛えられることだ。メモリー解放を兼ねて情報発信を習慣化すれば、入力情報も増えて多様になる。この状況は脳トレそのものだ。大量のメール送受信や日々のブログ更新を何年も続ければ、所要時間は短縮され、出来映えも良くなるものである。

4.スリープ&バックアップが生命線

 ただし、ブログやSNSにはまると寝不足になりがちなので注意が必要だ。メモリーに短期蓄積された情報は睡眠中に整理整頓されて、脳の長期保存用ストレージに格納されるらしい。つまり、睡眠は脳にとって重要なバックアップ時間。睡眠時間が少ないと、体内時計調整やメモリー解放もままならず「不眠」や「うつ」にもなりやすい。

5.データベースの主キーは感動体験

 さまざまなテーマやキーワードで書き続けたブログは検索エンジンでヒットしやすい。同様に、幼少期から多様な感動体験の記憶を脳に大量に書き込んでいる人は有利だ。脳が入力情報に応じて過去の記憶を検索し引用する際、より多様な情報が連想され、並列で非線形処理されるからだ。「ググってウィキして会いにいく」実体験の積み重ねで、多様な記憶をストレージしたいものだ。

6.若者の脳が低電圧版なワケ

 昨今の若者が不感症に見えるのは、入力不足×センサーの鈍さ×多様な感動体験の記憶が乏しいという三重苦が原因ではないかと考える。特に「今ここ」での体験と共鳴して呼び覚まされるべき「過去の感動体験」が絶対的に不足しているとしたら深刻だ。感動なくして新たな行動は起こらない。ゲーム脳と呼ばれるような、特定分野のダイナミックレンジの狭い情報ばかり蓄積された脳も、多様な共鳴を妨げそうだ。

7.発想は小脳シングルコア主義で

 豊田氏は、脳の機能でも重視すべきは運動を司る小脳だと主張する。言語による思考に支配されがちな大脳皮質はむしろ自由な発想や行動の邪魔をしているのではないかと話し合った。確かに古今東西の瞑想法には、何かの行動に集中して思考の働きを抑え、脳を活性化するものが多い。あれこれ考えるより、散歩でもしていた方がひらめきを得やすいのも同じ理屈だろう。

                  *     *     *

 どうやら脳を活性化させたいなら、パソコン漬けより、自然や人に接して、体と心を動かす方がよさそうだ。そして日々感動を発信してすっきりした後、よく寝て忘れる方がひらめきそうだ。

著者プロフィール

【久米信行(くめのぶゆき)】
1963年 東京下町墨田区生まれ。慶応義塾大学経済学部平野ゼミで「中国経済」専攻。イマジニア(株)でファミコンゲーム「松本亨の株式必勝学」、日興證券(株)でAI資産運用/相続診断システム「ベストプランナー」の開発から飛込み営業、社内外研修講師まで担当。
現在は家業の国産Tシャツメーカー久米繊維工業(株)三代目として第二創業に取り組む。「オーガニックコットン・グリーン電力・手仕事の優しさ」と「Tシャツを自作して発信する喜び」を伝えることがライフワーク。目下の個人的な研究課題は「ICTを使ってどこまで...ヒトは、自在の境地に遊び、縁を楽しめるか!企業は、経営理念を貫き、絆を深められるか!」
【公 職】東京商工会議所墨田支部IT分科会長、明治大学商学部「ベンチャービジネス論/起業プランニング論」講師、特定非営利活動法人CANPANセンター理事、(株)カレン社外取締役、経営者会報BLOGプロデューサー
【受 賞】1997年日経インターネットアワード、2005年2006年経済産業省IT経営百選
【連 載】日経パソコン「焦点」、日経ITProWatcher「企業経営に生かすブログ道」、日経ベンチャーONLINE「経営者のためのIT道場」、ミック通販支援BLOG「お客様とコミュニケーションする!」、オールアバウト「Tシャツガイド」、経営者会報「社長のためのブログ道」
【著 書】NTT出版「メール道」、「ブログ道
【個 人】Tシャツ道日記ケータイblog縁尋奇妙メール久米曼荼羅縁尋動画スライド


連載目次(新着順)

関連記事

キーワード

最新ランキング

PC Online会員登録

最新刊のご案内

最新の誌面から

  • 日経パソコン 2012年5月14日号

    日経パソコン 2012年5月14日号

    パソコンを仕事と生活に活かす総合情報誌
    ・お役立ち周辺機器購入ガイド
    ・最新画像処理ソフト驚きの実力
    ・新型CPU搭載の夏モデルが登場ほか

  • 日経PCビギナーズ 2012年6月号

    日経PCビギナーズ 2012年6月号

    パソコン初心者応援マガジン
    ・必ず見つかるネット検索
    ・写真の保存&印刷決定版
    ・キーボードの便利技43 ほか

  • 日経WinPC 2012年6月号

    日経WinPC 2012年6月号

    パワーユーザーのためのPC総合情報誌
    ・Ivy Bridge大研究
    ・本気で作る小型・静音PC
    ・新世代グラフィックスボードほか

  • 日経PC21 2012年6月号

    日経PC21 2012年6月号

    ビジネスマンのパソコン誌
    ・パソコン&スマホで地図&GPS
    ・PDF「新」活用術
    ・ネットでらくらく資産管理 ほか

日経パソコンスキルアップ倶楽部