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2009年11月28日 page:1/3次へ

Winny判決を考える

須川 賢洋=新潟大学法学部助教

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

須川 賢洋、新潟大学法学部助教

 2009年10月7日に、Winny事件の控訴審判決が出たことは、多くの皆さんがご存じだろう。今回は、この判決を踏まえて少し意見を述べてみたい。

 まず事実のまとめであるが、これはWinnyネットワークを使い著作物(ゲームソフトなど)をダウンロード可能にしていた者が著作権侵害で逮捕された事件を正犯として、Winnyの開発者がその幇助罪に問われた事件である。一審では幇助罪の成立を認定し罰金刑となったが、二審ではこれを破棄し無罪となったものである。

 開発者である金子勇 氏(当時 東大助手)が逮捕されたとき、多くの技術者達から上がった声は「包丁を作ったら殺人の幇助になるのか?これではソフトウエア開発が萎縮する」というものであった。

 しかし、この論法は正しいものではない。例えば、殺気だって喧嘩をしている二人の間に包丁を差し出し、もしそれでどちらかが刺し殺された場合には、それはやはり殺人の幇助が成立する。その道具がどんな物かということよりも、どのような状況で提供されたのかということの方が論点としては重要である。

 幇助罪とは「(正犯の)犯罪行為を容易ならしめる」ことを言い、これは物理的にだけでなく、精神的に容易にし得る行為も含まれるとされている。この事件では、どちらの裁判所でもWinny自体が著作権の侵害に使われることを、開発者の金子氏が認識していたことは認めている。

 その上で、一審ではその行為によって幇助が成立するとし、二審ではそれだけでは幇助が成立しないという判断を下したものである。高裁の判事は「・・・認容(*)しているだけでは足りず、それ以上に、ソフトを違法行為の用途のみに又はこれを主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めてソフトを提供する場合に幇助犯が成立すると解すべき」という判断基準を示している。

(*)法律用語でいう「認容」は厳密な意味では「認識」と異なるが、ここではこの解説は割愛する


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