今年もいろいろなものを見に行ったが、その中で「あれを見ておいてよかった」とつくづく感じるところがある。リサイクル・ゴミ処理場だ。
以前このコラムで書いたことがあるが、シリコンバレー地域ではリサイクル・ゴミをほとんど分別しなくていいことになっている(該当記事)。以前住んでいたパロアルトでは、巨大なゴミ箱に新聞や雑誌、ビン、カン、プラスティックなど、すべてのリサイクル・ゴミを一緒に入れて、収集日に家の前に出すだけだ。
それまでは3つのプラスティック・ケースに分類して、燃えるゴミと並べて出していたものが、一体どういうことになったのかと不思議に思ったものだ。現在住んでいる空港近くの町では、紙とその他に二分されたゴミ箱が配られているのだが、収集トラックをよく見ていると、結局はいっしょくたに荷台にぶちまけて去っていく。
どこで、どう分けるのかを知りたくて、リサイクル・ゴミ処理場への取材を申し込んだのだ。
あんなにたくさんのゴミを目にしたのは、生まれて初めてのことだ。そこは巨大な格納庫のような建物で、サンフランシスコ市内を含む地域全体のリサイクル・ゴミが集まっていたのだ。見学している間もひっきりなしにトラックがやってきて、収集したゴミをぶちまけていく。
遠くからからは色とりどりの無数の点々が、近寄って見ると個々のゴミのアイテムである。Google Earthでズームインすると、ディテールがどんどん鮮明になって実におもしろいのだが、ちょうどそんな感じ。しかも呆然とするほどの量だ。それをブルドーザーがすくい上げて、ベルトコンベヤーに載せる。
ここからが不思議なのである。リサイクル・ゴミはほぼ人手をかけることなく、紙、プラスティック、ガラス、カンに自動分類されていくのだ。
紙は風を吹きかけて飛ばし、プラスティックは揺らしてコンベヤーから落ちていく別のゴミと分類し、カンは渦巻き電流を流して引き寄せ、ガラスは光学センサーで色分けまでできる。リサイクル・ゴミにぬいぐるみや靴などを捨てる住民がいて、途中、そうしたカテゴリー外のものを処理場の作業員がコンベヤーの上から抜き取る。手作業はその程度だ。
8時間後には、それぞれのゴミは大きなキューブに圧縮されて、処理場の反対側からトラックで運ばれていく。中国へ輸出されたり、別の州で再生処理がされたりするのだという。
おもしろいことに、この処理場を見に行った体験は一種の精神浄化作用になった気がするのである。理由はよくわからない。私はリサイクルの鬼でも何でもなく、ただ規則に従ってゴミを出しているだけの住民だ。だが、何かしら「ちゃんと見届けた」感が残り、その後ゴミを出す時にはいつも「見通しのいい」気分がするのである。不思議なものだ。処理場には小学生グループも見学に来ていたが、後々好ましい社会効果があるかもしれない。
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