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2009年1月13日 page:1/3次へ

ジェミニの頃のランデブー・ドッキング

松浦 晋也=ノンフィクション・ライター

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 前回書いたランデブーの法則を思い出してもらいたい。軌道を巡る2機の宇宙船がある。前を行く宇宙船に後ろの宇宙機が追いつくためには地上の常識とは逆に、実際には後ろを行く宇宙機が逆噴射をして減速しなくてはならない。追いつくためにはスピードを落とさなければならないのだった。

 実は、このことは、初期の米国の宇宙飛行士の間でも十分には認識されていなかった。

 人間を月に送り込んだアポロ計画に先立って、米航空宇宙局(NASA)は、ランデブー・ドッキングや1週間以上の長期宇宙滞在の可能性を確かめるための、ジェミニ計画を実施した。2人乗りのカプセル型宇宙船「ジェミニ」を、「タイタン2」ロケットで打ち上げ、地球を回る軌道で、アポロ計画で必要になる様々な新技術を試験するというものだ。ジェミニ1号と2号は、宇宙船の性能を確かめるための無人打ち上げであり、1965年3月のジェミニ3号で初めて宇宙飛行士が搭乗した。3号は「人がジェミニ宇宙船に乗って、無事に宇宙に行き、帰還できることを確認する」ことが目的で、地球を3周した後にあわただしく帰還した。

 本番の「アポロ計画に向けた技術試験」は、ジェミニ4号から始まった。そして、一番最初に行われたのが、ランデブーの試験だったのである。

 アポロ宇宙船は、月着陸船と軌道船とがドッキングして月周回軌道に入る。ドッキングを解除後、月着陸船は月面に降り、軌道船は月を回る軌道で待機する。帰還時には月面から上昇してきた月着陸船と軌道船がランデブー・ドッキングして、宇宙飛行士は全員軌道船に乗り移り、月着陸船を破棄して地球へ帰還する。

 つまり、地球からはるかに離れた月周回軌道上での、軌道船と月着陸船のランデブー・ドッキングを成功させることが、アポロ計画成功の鍵となっていたのだった。

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 ジェミニ4号の打ち上げ(Photo by NASA)。打ち上げに使われたタイタン2ロケットは本来核弾頭を共産圏に打ち込むための大陸間弾道ミサイルとして開発されたもの。この時代の米国の宇宙開発は、軍人出身の宇宙飛行士が、ミサイル転用のロケットに乗って宇宙に向かうという荒っぽい方法で行われた。今なら人命軽視と言われるところだろうが、それ故、10年足らずの短い時間で人類を月に送り込むことができたということだろう。


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