さて、問題は今年8月の太陽黒点の消失は、今後どうなるのかということだ。もしも、このまま太陽活動が回復せずに、マウンダー極小期のような状態に入るとしたら、今後地球の気候は温暖かではなく寒冷化することになるかも知れない。
昨今、地球温暖化についてマスメディアでも色々な報道がなされている。が、実際問題として地球温暖化と地球寒冷化を比べると、寒冷化のほうがはるかに深刻で恐ろしい。なぜなら、前にも述べたように、地球寒冷化は世界の食料生産に直接的な打撃を与えるからだ。
植物全般は、人工的に二酸化炭素を多く含んだより高温の空気の中で育てると、通常よりもずっと早く大きく生育する。つまり、今私達が、適温だと思っている地球環境は植物からすると「寒くて二酸化炭素が薄い」イヤな環境というわけである。だから寒冷化すると、植物の生育状況は一気に悪化する。家畜だって飼料、つまりは植物を食べさせて飼育しているわけだから、植物の生育不順は即食糧不足に直結する。
今回の黒点消失は、多くの人々が飢える寒冷化の時代の予兆かも知れない。
とはいえ、本当にそうなるかどうかは、まだ誰にも分からない。天文学者の間でも、「このままおさまって通常の11年周期に復帰するのではないか」「いや、そうとは限らない」と様々な議論がなされている。
なによりもデータが足りなさ過ぎるのだ。太陽の様々な科学的観測は、その多くが20世紀半ば以降に始まっている。40億年を超える太陽の歴史を考えると本当に微々たる期間のことしか分かってはいない。もちろん、太陽の内部構造や、そこで何が起こっているかについても、確かなことを言うにはまだまだ観測が足りない。
「だから基礎科学にもっと予算をかけるべきなのに…」といういつもながらの嘆きは措いておくとしても、地球温暖化で大騒ぎになっているまさに今現在、地球寒冷化を示唆する現象が太陽表面で起きているということは、頭の隅っこにひっかけておくべきことだろう。
さて、太陽活動が不活発になると、なぜ地球が寒冷化するのか。そこには、太陽系や近隣恒星はおろか、銀河系全体をも巻き込んだ壮大な仮説が存在する。それは――というところで次回に続きます。

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