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イラスト:スエナス |
街なかのショーウィンドーに「随分くたびれたおっさんが映ってるなぁ」と思って近づいたら自分だった、という体験を先日すませたスエナスです。
何度も言うようにスエナスとトマトさんは放送作家の端くれでして、テレビやラジオなんかの仕事をしているのだが、スエナスは最近「テレビユー山形」という地方局の仕事で山形まで出張に行ってきた。
「ほれ、これで東北限定のサクランボハイチューを買ってこい」と、妻に2000円を渡されて、ちょっと寂しい気分になりながら東北新幹線に乗ったスエナス……。
で、何を取材するのかというと「大きなわらじ」である。どのくらい大きいかというと、幅が1.5メートル、長さ4.5メートルで、重さがなんと500キログラムという正真正銘の「大わらじ」だ。
ここまで書くとピンと来る人が、あるいはいるかもしれない。浅草の浅草寺に行くとその実物を見ることができる。東京在住の人なら1度は見たことがあるだろうか。雷門をくぐった先にある宝蔵門にその巨大わらじは掛けられている。このわらじを作っているのが山形県村山市楯岡荒町地区の方々なのである。
今や浅草寺にとってもなくてはならない存在となっている大わらじが、今年、10年ぶりに掛け替えられるのでだ。テレビの取材はその辺に焦点をしぼったものとなる。
そもそもの始まりは昭和16年、同地出身の政治家が大わらじを浅草寺に寄贈したことらしい。で、戦争を挟んだりいろんなことがあったが、ほぼ10年ごとに掛けかえられてきた大わらじ。今回が7回目ということで町中が盛り上がっているわけだ。
細かい情報は割愛するが、スエナスの興味をひいたのが山形から浅草までの運送費。なんと「5円玉1枚」なんである。「ご縁があるように」っていうジュラ紀くらいからありそうな語呂合わせにちなんでいるらしいのだが、なんとも気前のいい話である。ちなみに通常なら高速代を除いても12万円の仕事だという。
でここからが今回の本題!原油の高騰などのあおりを受け何かと厳しい運送業界だが…なんか楽天さんがドロップシッピング業界に脅威となりそうなサービスを始めたと聞いてスエナス「ムムム」とうなったのだ。
まるで大わらじを「5円」で運ぶ殊勝な業者みたいなサービスを楽天が始めたというのだ。先日、「楽天市場」の出店者向けに、商品の保管や宅配を代行する物流サービスを始めたというニュースがあったのだ。
楽天市場よりもドロップシッピングが簡単でローリスクな理由は、「出店者が在庫を持たず業者が直接顧客に商品を送ってくれる」ということだった。
「楽天物流サービス」は、どうもそこと競合するサービスのようなのだ。もちろん料金はかかるのだが、ドロップシッピングだって「売り上げから運送料を差し引く」という意味では無料ではない。
楽天が代行するのは運送だけではない、在庫管理や包装もしてくれる。おおっ、なんか本当にドロップシッピングみたい!
楽天側は物流拠点の倉庫を静岡県にすでに確保しており、今後は関東や北海道などにも広げていく考えらしい。同社はニュースリリースで以下のように言い切っている。
「本サービスをご利用いただくことにより、出店店舗にとっては物流に関わる作業負担の軽減を実現し、商品企画や販売促進等に専念できるようになります。また楽天としては、こうした環境を整えることで、物流面がネックとなり出店に踏み出せなかった店舗の開店を促進すると同時に、すでに出店している店舗に対しては更なる売り上げの向上を期待しています……」
おおおっ、どっかで(ドロップシッピング業者のサイト)で似たような文章を読んだことがあるぞッ。これにプラスしてお金のやり取りなんかも完全に面倒を見てくれるようになれば、それこそ「楽天式ドロップシッピング」じゃん、もしかしたらそこを狙っているのかもしれない!しかも!驚くべきことには、アマゾン ジャパンも先だって同じようなサービスを開始している!!
とはいっても、ドロップシッピングにとって一概にガチンコで脅威になるサービスではないのかもしれない。というのも、楽天が配送や在庫管理を行うサービスというのは、楽天にしてみれば、「出店者さんの顧客満足サービス」の1つみたいな位置づけかもしれないしね。
まあ、でも興味深いサービスであることには変わりないので、これからも楽天さんの動きを気をつけて観察しようと心に決めたスエナスだったのである。
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nasutomato_meyasubako@yahoo.co.jp
日経パソコン編集部より:上記目安箱へのご意見は、編集部を経由せず、本コラムの筆者であるスエナス、トマト両氏に直接届きます。あらかじめ、その旨、ご了承ください。
【スエナス】
1970年九州地方で収穫され、1993年に東京の大学を卒業。様々な職業を転々としながら、シナリオの勉強を続ける。数年後、ひょんなことから某テレビ局のプロデューサーと知り合うことになり、放送の世界へ出荷される。その後、テレビやラジオの放送作家として鳴かず飛ばずの生活をしながら、Web、雑誌などでも執筆をするように。2005年、三笠書房より「あの手この手の裏社会マニュアル」を上梓。現在、一児の父としてB級放送作家街道をまっしぐら。
【トマト】
19XX年関西地方で収穫され、トマトとしての英才教育を受けながら大学卒業後、テレビ制作会社のADを経て作家に転向。バラエティやドラマ・アニメ、情報番組、音楽番組に漫画までと多種多彩というより、何でも70点という無難さゆえ、いまいちパッとしない作家。熟していく自分の身体を見つめながら、ジッと出荷を待つ日々を過ごしている。
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