2011年は「iPhone 4」の安値攻勢と新機種「iPhone 4S」の発売、そしてAndroid搭載スマートフォンの相次ぐ登場で、スマートフォン市場が急成長した。2012年も引き続き、スマートフォンの快進撃は続く。また、スマートフォン市場の勢力争いも依然として激烈。優勝劣敗が判然とするまでには、もうしばらく時間がかかりそうだ。
現在、世界のスマートフォン市場で製品を提供しているメーカーを、OS別に分類したものが図1である。圧倒的多数のメーカーは、米グーグルが提供するLinux系のオープンソースOS「Android」を使ってスマートフォンを開発している。その対抗馬が、自社開発の「iOS」で先行した米アップルだ。この2つの陣営が現在、スマートフォン市場の中核を成している。
後れを取った米マイクロソフトは、「Windows CE」「Windows Mobile」と続く小型機器向けの組み込みOSをブラッシュアップ。2011年8月にスマートフォン向けOSの最新版である「Windows Phone 7.5」をリリースし、巻き返しに躍起だ。米国のビジネスパーソンに絶大な人気を誇っていた「BlackBerry」は、2陣営の前にヒット作を生み出せず、販売台数、シェアともに縮小傾向にある。米ヒューレット・パッカード(HP)の「webOS」も、かつて「Palm OS」と呼ばれて人気を博したが、近年は低迷。同社は2011年、webOS事業から撤退すると表明し、その後撤回するなど二転三転しており、厳しい情勢が続いている。
国内でも、2つのOSが大勢を占めている状況は変わらない。当初はソフトバンクモバイルがiPhoneを大量に販売して市場をリードしていたが、2010年秋以降はNTTドコモとKDDI(au)がAndroidを担いで猛追している。2011年8月にはKDDIがWindows Phone端末「IS12T」(富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製)を発売したが、今のところこれが唯一のWindows Phone端末で、存在感を出せずにいる。
こうした国内の勢力図を変動させる可能性のある動きが2つある。一つはiPhoneをめぐるNTTドコモの動き、もう一つはWindows Phoneをめぐる情勢だ。
これまで日本市場向けのiPhoneは、2008年発売の「iPhone 3G」からずっと、ソフトバンクモバイルが独占的に販売していた。しかし2011年10月発売のiPhone 4Sは、同社に加えKDDIも販売を手掛け、ソフトバンクモバイルの独占体制が崩れた(図2)。既に海外では、iPhoneを複数の事業者が扱うのは珍しくない。日本でもソフトバンクモバイル、KDDIに続きドコモも参入するのではとの期待が高まった。
そんな中、日経ビジネスオンラインが2011年12月1日、「ドコモがiPhoneとiPadの次世代機を日本国内で発売することでアップルと基本合意した」と報じた。ただ、これに対してはドコモが同日に声明を発表。基本合意したという事実やアップルとの具体的な交渉の事実を否定した。
とはいえ、業界関係者の間ではドコモのiPhone参入があり得るとの意見が根強い。同社も「アップルとの間で話をしようと思えば、すぐにコンタクトできるチャネルは常に持っている」(広報部)としている。現状ではAndroidに専念しているドコモがiPhone販売に踏み切れば、ネットワーク品質の高いドコモ回線とiPhoneを組み合わせて使いたいユーザーが一挙に買いに走る可能性もある。スマートフォンの勢力図にも、少なからぬ影響を与えることだろう。
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