2008年6月9日
日経パソコン
PLCというのは「Power Line Communications」の略で、日本語では「電力線通信」と呼ばれます。建物内の電力配線に通信用の信号を乗せて通信する技術です。PLCアダプターと呼ばれる機器を電源コンセントにつなぐと、機器同士は理論値で最大190M〜200Mbps、実効速度で最大50M〜60Mbps(TCPの場合)で通信できます。
PLCは、ケーブルの取り回しが楽で、設置が簡単なのが利点です。例えば、2階建ての建物にPLCでLANを構築するとしましょう(下図)。
| 【電源コンセントにつないで家庭内LANを構築するPLC】 |
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| 親機と子機をそれぞれ電源コンセントにつなぐと通信できる。親機はルーター機能を内蔵したADSLモデムやONU(Optical Network Unit:光回線終端装置)に接続し、子機はパソコンやネットワークプリンター、テレビで動画を見るためのセットトップボックスといった機器につなぐ |
PLCアダプターは親機と子機を組み合わせて使います。まず、親機をブロードバンドルーターにつなぎます。ADSLモデムやONU(光回線終端装置)がルーター機能を備えている場合は、これらの機器を直接親機に接続します。次に、子機をパソコンなどの機器に接続します。そして、親機と子機それぞれを部屋にある電源コンセントにつなぎます。これで、親機側のルーターと子機側のパソコンが電力配線を介して通信できるようになります。もちろんインターネットとの接続も可能です。
親機と子機の間は壁や床の裏に隠れた電力配線がつないでくれるので、配線を気にする必要がありません。また、無線LANは階をまたいだり、建物が鉄筋だったりすると、無線電波が届きにくく、通信が不安定になることがありますが、PLCならばこのような心配もありません。
ただ、PLCを利用するには注意点がいくつかあります。
まずは方式の問題です。PLCには現在、「HomePlug AV」「UPA」「HD-PLC」の3方式があり、方式が違うと通信できません。メーカーや機種によって採用する方式は違いますから、購入時には注意が必要です。
PLCアダプターの設置場所にも注意しましょう。PLCアダプターは電源コンセントに直接つなぐのが原則。間に雷サージ防止用の機器などをはさむと通信速度が低下することがあります。携帯電話の充電器やパソコンのACアダプターを同じコンセントに挿すのも避けましょう。やはり速度が落ちます。
このほか、同じ電力配線上でドライヤーや掃除機を使ったり、親機と子機の距離が離れすぎたりするのも速度低下の原因になります。
このため、条件によっては無線LANや有線LANと併用するのも一つの手です。例えば、無線LANルーターに親機をつなぎ、電波の届きやすい1階は無線LANを、電波の届きにくい2階はPLCを使うというようにすると効果的です。
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