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2008年3月5日

SNSに疲れたら、こんな使い方はどうですか?

趙 章恩=ITジャーナリスト

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

日本に「mixi疲れ」があるなら、韓国には「MiniHompy疲れ」がある。

 日本では韓国ほどの人気はないようだが、2200万人の会員数を誇り、今でも週に1500万人以上が訪問している“韓国人の人名録”とも称される「Cyworld」は、元祖SNSサイトとして、アバターや個人Blogがセットになった「MiniHompy」(ミニホームページ)を、登録した仲良しメンバー(「イルチョン」と呼ぶ)だけに公開できる機能で一躍社会現象にまでなった。MiniHompyでは、アバター用の着せ替え服や家具を買ってアバターの部屋をかわいくさせるアイテムや背景画面、BGMなどを購入して飾り付け、訪問する人を楽しませる。

 CyworldのMiniHompyが本格的にサービスを始めたのは2001年。しかし、2003年〜2005年をピークに「MiniHompy疲れ」が出始めている。新入社員の面接やお見合いの前には、相手のMiniHompyを確認するのが当たり前になっていた。このため、逆に自由に物を書けなくなってしまったり、イルチョンとして登録している友達のMiniHompyを毎日のように周回して挨拶コメントを残すのにも疲れてしまったりで、Cyworldから離れしてしまうユーザーが増えてきた。それでもCyworldの訪問者数は減らないし同時アクセス者数もそれほど減らない理由はどこにあるのだろうか。

 Cyworldによると、それは「BGM」にあるそうだ。

 SNSサイトとしてMiniHompyを管理することに疲れたユーザーは、それまでに購入したアバターのアイテムやBGMがもったいないので脱退まではしない。そして、自分が購入したBGMを再生する音楽サイトとして、一日中利用するというのだ。1曲500ウォン(約60円)でダウンロードできるCyworldのBGM市場では、この5年間で2億曲以上を販売し、累計1000億ウォン(約125億円)の売り上げを突破している。MiniHompy以外では購入したBGMを使えない。複製もできないし、著作権もしっかり保護できることからオンライン音楽産業の大きな割合を占めている。それに他人のMiniHompyにあるBGMも聴けるので、音楽の趣味が似ている人同士で「イルチョン」になり、毎月どんなBGMを購入するかを相談して10曲ずつ分けて購入するといった動きもあるという。

 MiniHompyのBGMを音楽サイト代わりにするのが流行っているせいか、ヒット曲もBGMから生まれている。オフラインでアルバムを発売するよりも早くBGMとして販売したり、アルバムを一切出さずにBGM販売やダウンロード販売だけを提供したりする歌手も増えてきた。MiniHompy向けのBGMとして新曲を1曲提供しただけで1億円は軽く稼げるということで、一部の人気歌手はテレビやラジオに出演せず、アルバムも出さず、Cyworld専用に新曲を販売しているほどだ。2007年公開された映画「ラブソングができるまで」のサウンドトラックもCyworldで初めて公開され、マドンナが地球温暖化防止のチャリティーコンサートの前に発売したスペシャルシングル「Hey You」もCyworldで先行販売されたほどだ。インディーバンドの曲も人気がある。「ハミングアーバンステレオ」という歌手の「ハワイアンカップル」はBGMで火が付き、テレビのCMソングや映画の主題歌になり、音楽チャート1位になった伝説的な曲である。SNSサイトの一機能であったBGMが今では会員数をバックに韓国音楽市場に多大な影響を与え始めているのだ。

 CyworldのBGMとして最もたくさん売れたのは中島美嘉の「雪の華」を韓国の男性歌手がカバーした韓国語バージョン「雪の華」。ドラマの主題歌だったこともあり、100週間以上も連続して販売件数第1位を記録。70万人を超えるユーザーが購入した。今でもこの記録は破られていない。mixiでもSNSの人脈管理に疲れたら、自分だけの写真アルバムとして利用するかもしれないし、まったく想像しなかった方向へと進むかもしれない。Cyworldのように時代の変化に応じて特技を変えながら生き残ることも重要なことではないだろうか。


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