「鼻歌が検索できたらいいのに」と何週間か前に当欄で書いた記憶があるのだが、恐るべきことに、本当に検索できてしまうようである。midomiという、歌を口ずさんで楽曲を検索できるウェブサイトが登場した。米メロディスが運営するサイトで、英語、日本語、スペイン語、中国語等、多言語でサービスを提供中。「ああ、あの歌、メロディは覚えてるんだけど、なんていう曲だっけ?」。曲名が思い出せなくてウズウズする落ち着かなさを解消してくれるというわけだ。
で、この連載、「ネットエイジのクラシックジャンキー」なのであるから、ここはmidomiに向かって、クラシックの名曲を次々と歌ってどれくらい判定してくれるのかを試してみたい。midomiにはクラシック音楽を相手にしてくれている雰囲気はあまりないのだが、はたしてどうか。
パソコンにつなげたマイクに向かって、まずは易しいところから一曲。ホルスト作曲の組曲「惑星」から「木星」の中間部のメロディを鼻歌っぽく歌ってみた(見え見えの展開ですが)。
♪フフフーン、フフフーフ、フフフーフ、フフフーフーフン〜
さて、midomi先生の判定はいかに!
出ました! この曲は Liberaの I Vow to Thee My Country ! あれれ、なんだそれ?
いや、待て待て。候補は他にもある。平原綾香の Jupiter 。そうそう、これが出ると期待していたのだ。ご存知、ホルストの「木星」をカバーしたヒット曲である。ちなみに、このJupiter、平原綾香が歌った録音が出てくるわけではなく、一般のユーザーの方が歌ったものが何種類かヒットしているようだ。
では I Vow to Thee My Country っていうのは何だ? と思ってこれを聴いてみると、やはり同じメロディ、ホルストの「木星」なのである。実はこれ、イギリスの愛国歌としていろいろなアーティストが歌っている曲なのだ。だから、midomiは全然まちがっちゃいない。ただ、ホルストの名前を出してくれないのがクラシック音楽好きとしては悔しいところである。
これはなんだか楽しいぞ。続いて、いかにもカバーされていそうな曲ということで、エルガーの「愛の挨拶」を歌ってみた。日本ではCMやテレビ番組のBGMなどで頻繁に使われる名曲だ。
するとmidomi先生、こう判定してくれました。
□祝 - □丞琳, □文媛
(「□」部分は文字コードの関係で表示できず)
おお、まったく読めない中国語のアーティスト名と曲名が出てしまった! これ、本当に「愛の挨拶」なのか。ドキドキしながら聴いてみると、ちゃんとエルガーの「愛の挨拶」なのだ、メロディだけは。しかも同じ曲名で3件、それぞれ中国名と思われる方が登録している。たぶん、中国語圏でどなたか有名な歌手が「愛の挨拶」をカバーして歌っているということなんでしょう。
こんなことがわかってしまうとは、恐るべし、midomi。ただし、今回もエルガーの名前は出てこないが残念である。
midomiのユーザーの方がクラシックの曲をあまり登録してくれていないのだろうか。いや、そんなはずはない。やっぱり歌うならオペラを歌うべきじゃないか。
気を取り直して、だれもが知っている名曲を歌ってみた。ヴェルディのオペラ「リゴレット」より「女心の歌」。さあ、これなら、どうだ、えいっ!
La Donna E'mobile - Mario Lanza
ついに本当の曲名でヒット! 正解です! La Donna E'mobile すなわち「女心の歌」。Mario Lanzaと特定の歌手名が出てしまっているところは軽くスルーして、登録者の歌を聴いてみた。二人いる。slavさんとabeaS_oyRさん。フランス在住のslavさんは「ラララ、ラララ〜」と私と同じく適当に歌っていた。だがイタリア人のabeaS_oyRさんは違った。普通にイタリア語でボソボソ歌ってる! さすがイタリア人だ(というか母国語だから当然か)。世界はつながってるぞ!
調子に乗ってワーグナーの「ワルキューレの騎行」を歌ってみたら、peace and tranquility to earth - roudoudou と言われた。なに、その曲。全然違ってるよ!
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