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2007年8月7日

ThinkPadユーザーはVistaにご用心

ジェリー・パーネル=SF作家

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 慣れていることもあって、私は旅行にThinkPad T42Pを持って行った。私がこれまで使ったうちで最も信頼できるラップトップだ。

 私は新しいタブレットPCや、Intel Core 2 Duoプロセッサーを搭載した最新のTシリーズなど、もっと最新式のLenovoラップトップを何台か持っている。息子のアレックスが緊急用の代替機として使っていなければ、Core 2 Duo搭載機を持ってきただろう。そのほうが結果的に好都合だった。新しいThinkPadには両方ともVistaが入っている。

 何か重大な処理をする人には、Vistaは推薦しない。アレックスに何が起こったか、彼に説明させよう。


 私は自分のHP機を修理している間、Lenovo ThinkPad T60(2G RAM、2GHzのCentrino、105Gハードドライブ、ATIグラフィックス)を借りた。ThinkPadにはUltimateではなくVista Businessがインストールされており、最新のNorton Anti-Virus(90日間試用版)がついていた。いくつか指摘することがある。

 まず、一番困るのはSymantec/Nortonが最初のアップデートもできなかったことだ。最初の試みでつまずいた。そして、LiveUpdateは完了していない。Symantecにはいつも以上にがっかりした。Nortonを長く使っているからではなく、通常よりも失望させられたからだ。

 T60のバッテリー寿命はまあまあで、3時間以上もつ。HP Pavilionも悪くはないが、それよりかなり長い。スクリーンは明るくてクリアな1400×1050の15.4インチだ。私は内蔵のVerizonセルラーモデム(契約が必要)は使ってみたことがない。内蔵のスピーカーはかなり貧弱だ。これでゲームをすれば、配偶者に出て行かれないかと心配せずにいられるだろう。だが、とても静かなところにいるのでなければ、ヘッドホンがないと音楽がよくきこえない。

 このマシンにソフトウエアを移植するのは、私が望むほどには簡単ではなかった。マイクロソフトの信用のために言えば、Microsoft Windows Vista Software Migration Toolは実際かなりスムースに新しいマシンにアプリケーションの設定を転送する。だが、「C:\Program Files」サブディレクトリーにデータを押し込んでいるアプリケーションは歓迎されない。

 それには背景がある。マイクロソフトは、そこにデータを格納することが有害なので、わざわざ骨を折って「Program files」から仮想ディレクトリーへ、それらのデータのコピーをトランスペアレントに作ることにした。これは、例えばメールアプリケーションのEudoraなどに限ってはうまくいく。

 実際私は、メッセージを送信するか、それを私のデフォルトメールプログラムとして使う前に、仮想作業ディレクトリーに「everyone」の許可を与えなければならなかった。私はまだ、カスタムのEudoraのディクショナリーに単語を追加できずにいる。Eudoraは文句を言わない。ただ単に追加できないだけだ。

 次は安定性だ。Lenovoが最新のドライバー更新を言ってきた。定期的なWindowsのアップデートとは対照的だ。こちらは、マイクロソフトが4月中に怒涛のようにリリースしていたのが落ち着いたところだ。それ以来、マシンはハイバネートモードからは50%、スタンバイからは75%ぐらいしか回復しない。以前の75%と95%に比べて低下した。

 これはWordのファイルを9個開いているか、Eudoraだけかといったように、私がどのアプリケーションを実行しているかには関係ないようだ。それは、ほとんど電源/回復の問題のように見える。普通に使っていて、ブルースクリーンで死んだところを見たのは4、5回だ。これは、これまでのところXPのときより多い。

 検索したところ、新しい「ハイブリッドスリープ」モードに問題があるようだ。例えばThe How-To Geekの記事を見てほしい。T60はデフォルトでこれを停止している。この種の問題を経験したのは私だけではない。やや古いがThe NeoSmart Filesの記事にもレポートがある。

 安定した電源管理がきちんとできるソフトウエアを書くのは容易なことではない。ピーター・グラスコウスキーがWinHEC(Windows Hardware Engineering Conference)2007のいくつかのセッションに参加したところ、Vistaでは最新の省電力機能の多くがわざと停止されているという話だった。どんなときでも機能するドライバーは誰も書けないというのが主な理由だ。

 10年近くラップトップを使っていれば、ハイバネートやスリープのコード(「使っていない間はチップの一部を停止する」コードとは違う)のことは、よくわかっていると思うかもしれない。私はまだよくわからない。

 これは私の推測にすぎないが、5月末のLenovoのアップデートがシステムの信頼性を低下させたのではないかと思う。Windows Vistaは少なくともService Pack 1まではせいぜい1年間のベータ版と考えざるをえないようだ。私は、そう宣言する前に、これほど不安定性にしたアップデートを取り消すことができるかどうかを確かめる必要がある。

 一方で私は、重くて電力を食い、ファンがぶんぶん回る(底に3個ある)Pavilionに戻ることもできる。そうすれば、もっと使い慣れたWindows XPを使える。やれやれ。

 私はVista Ultimateを載せた大きなCore 2 Duoシステムでこれを書いている。それは私が持っているただ一つの作業用Vistaマシンだ。

 それはほぼ働くが、いろいろなことが起こる。例えば、私がこのコラムに写真を挿入し始めたら、Vistaはハングした。私は「Insert Photo」ボタンを使おうとした。適切なウインドウがポップアップしたが、必要な写真を見つけるためにディレクトリーを変更しようとした時、「応答なし」のメッセージが出て、システムはしっかりハングした。

 私はログオフし、やりなおすことでそれを「修正」した。私はマシンをリスタートする必要はなかった。ログオフとログオンでOKだった。しかしもちろん、開いていたウインドウはすべて閉じられた。Firefoxのウインドウがいくつかと、Wordのインスタンスが数個あったが、何の不思議もない。開いたウインドウが多すぎたのだ。ログオフとログオンを行うと、すべては再び完全に動いた。

 私はこのマシンで、ネットのブラウジング、書き物、そしてWorld of Warcraftを数時間やる。私が1週間前に帰宅してからつけっぱなしで、リスタートしていない。もちろん、Windows XPが出てからは、コンピューターをリスタートさせなくても何週間も動くのは異常だとは誰も思わない。しかし、必ずしもそうとは限らない時もあったことを我々は覚えている。用心して定期的にマシンをリブートした時代があった。もしかしたら、Vistaにはそれが必要なのだろうか。

 いずれにしろ、Vistaはあまりにも気難しいので、仕事用には推薦できない。Vistaは美しく、時には面白い。だが、Microsoft Desktop SearchのあるWindows XPができないような重要なことは何もしない。そしてXPのほうが断然安定している。Vistaへ乗り換えるのは、Service Pack Oneが出るまで待ったほうがいい。

 それが新しいコンピューターを買うのを延期することになるというなら、新しいコンピューター(特にラップトップ)を買うのを延期したほうがいい。IBM/レノボがアップグレードとドライバーを適切に提供できないとしたら、誰ができるというのだ。

 私はWindows XPを載せたLenovo Titanium Z61を持っており、それがちゃんと動くことを指摘しておく。Zシリーズのマシンは軽量で、国土安全保障会議の時に持っていけるとよかったのだが、ホテルではTシリーズのもっと大きなスクリーンのほうが絶対によかった。

 私は、どちらもすぐにはVistaに「アップグレード」しないつもりだ。Vistaの肩を持つとすれば、Vista搭載のLenovo TabletPCでOneNoteが非常によく機能したことは言っておかねばならない。私は重要な編集作業をそのタブレットで行うことができた。これまでのところ、VistaはLenovoタブレットではたいした問題を起こしていない。だが私は、Vistaマシンだけを持って家から遠く離れたところに行くのはちょっとためらう。そんな心配は無用なのかもしれないが、私はそう思う。

 Linuxとアップルを愛用している友人に言われるまでもなく、私はインテルのプラットフォーム上のOS Xがすごく安定していることを知っている。また、Linuxは毎週のように便利になっていく。こうしたことすべてが、マイクロソフトがVista SP1を出すために努力するよう後押しするはずだ。Vistaにだっていいところはある。

著者プロフィール

【ジェリー・パーネル(Jerry Eugene Pournelle)】
日経バイト(2006年現在休刊中)に連載していた「混沌の館にて」の著者。1933年、米国ルイジアナ州生まれ。ミリタリーSFの第一人者。アメリカSF作家協会の元会長。有人宇宙飛行の実現に向けた活動にも注力してきた。著書は,「宇宙の傭兵たち」,「地球から来た傭兵たち」,「降伏の儀式」(ラリー・ニーブンと共著)など多数。 公式サイトは「CHAOS MANOR MUSINGS」。


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