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2007年6月27日

夏休みキャンプでオンラインゲーム中毒治療

趙 章恩=ITジャーナリスト

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 深刻な青少年問題になっているオンラインゲーム中毒問題を解決するため、韓国ではオンラインゲーム中毒予防・治療キャンプが盛んに開催されている。代表的なオンラインゲーム中毒治療キャンプは政府機関である国家青少年委員会が大学病院らと共同で開催している「デジタルリーダーキャンプ」、「治癒の森キャンプ」である。

 小学校4年生から中学3年生を対象としていて、9〜12日間ほどパソコンのない森の中で生活しながら、オンラインゲーム以外の遊び方や友達とのコミュニケーション方法を学ぶ。両親に無理やり連れて来られた子どもたちは大体2日目からはパソコンのない環境を受け入れようとするが、12日間にも及ぶキャンプの間、全く改善されずカウンセラーに暴力をふるい、他の参加者と一切会話をしない深刻な症状の子どもたちも多いという。

 オンラインゲーム中毒になった子どもたちは他の人と一緒に何かをすることを嫌がり一人でいるのを好む。そのため、キャンプではまずグループ相談とグループ活動に重点をおいたプログラムを実施している。7〜8人のグループに分かれ、自分の中毒経験と考えを話し合い問題点を探したり、将来の夢や家族のことを絵に描いたりもする。

 青少年委員会の担当者の声を聞くと驚かされる。

 「子どもたちに将来の夢は何?と聞くとほとんどがプロゲーマーやプログラマーになりたいという。その夢を叶えるために何をしたらいいか聞くと、とにかくオンラインゲームをたくさんやればいいと答えるので驚いた。グループ相談の中では、『プロゲーマーになるためにはパソコンについても勉強しないといけないし、オンラインゲームの構造についても知っておくべきだし、オンラインゲーム開発を教える専門大学に行くのもいい。ただ、そのためにはゲームの時間を減らしてまずは大学に行けるよう勉強しないといけないね』と自分達の口からそういう話がでるよう誘導する」。

 団体活動は川で水遊びやスポーツを楽しむほか、心理劇やダンスフェスティバルを子どもたちが企画して開催することもある。これらの経験を通して、友達とのおしゃべりのように、ゲーム以外でも面白いことがあるということに、改めて子どもたちが気づくという。

 韓国情報文化振興院が無料で開催する「インターネット休憩学校」も中学1年生から高校2年生までが対象で、毎年夏休みに開催されている。

 国家青少年委員会はソウル病院、ソウル市小児青少年精神保健センターと共同で、「インターネット・オンラインゲーム中毒青少年のための家族キャンプ」も開催している。このキャンプは中毒により家族と断絶された子供がもう一度家族の一員として仲良くコミュニケーションできるよう家族全員が参加するキャンプだ。親にも子供がオンラインゲームに夢中になりすぎている時、効果的にそれを止められる指導法を教える。

 こうしたキャンプの参加費用は交通費だけ負担すれば全て無料だ。

 ソウル大、中央大、延世大学、漢陽大学病院の精神科は共同でインターネット中毒プログラムを開発し、大韓医師協会は「クリーンインターネットとメディアを希望する集い」のホームページを開設し、オンライン相談を受け付けている。

 国家青少年委員会は「1388」インターネット中毒ホットラインも運営している。24時間いつでもこの番号に電話をかければ専門家が相談にのってくれる。全国には137の青少年支援センターもあり、直接訪問して1対1でのカウンセラーと面談もできる。だが自分で中毒と気付く中毒者はいるはずもなく、このような支援センターに来るのは無理やりお母さんに連れられて送り込まれた子どもたちだ。

 国家青少年委員会の媒体環境チームは「成長期の子どもたちがインターネットやオンラインゲーム中毒になると、学校にもなじめず正常な成長も妨げられる。その結果国家競争力にも問題が発生する恐れがある。委員会では中毒を予防し治療するため医学界、カウンセラー、教育専門家と多角的な方法を模索している」と話す。

 また国家青少年委員会はオンラインゲーム中毒防止のためにはゲーム会社の参加も重要であるとみている。未成年者のゲーム利用時間や決済内訳を保護者に通知させることや、保護者が設定すれば一定時間以上ゲームができないようにするなど、法律として規制する法案まで考えられている。

 韓国IT産業の中で最も稼ぎがいいオンラインゲーム。産業としては育てたいが中毒も深刻な状況だし、情報通信部も大変だ。この際、オンラインゲームの海外市場進出は、中毒予防措置(場合によっては治療キャンプ付き)を施した形で行ってみるというのはどうだろうか。

 参考までに、以下が韓国情報文化振興院が推奨しているオンライン中毒予防10大守則だ。

(1)パソコンは家族が共同のスペースに置く。
(2)放課後やるべきことを終えてからパソコンの電源を入れる
(3)一日のパソコンの利用時間を決める
(4)学習のためのインターネット活用を増やす
(5)オンラインゲームは一度に1時間以上利用しない
(6)パソコンの使用時間と内容を記録する
(7)有害情報と思われるメールはそのまま削除する
(8)オンラインゲーム中は食事やおやつを食べない
(9)オンラインゲームのせいで寝る時間を減らさない
(10)趣味、運動、文化活動の時間を増やす

著者プロフィール

【趙章恩(チョウ・チャンウン)】
ITジャーナリスト。高校卒業まで東京で育ち、韓国ソウルの大学卒業後、ソウル在住。日本経済新聞「ネット時評」、西日本新聞、BCN、夕刊フジなどに連載。著書「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー刊)「日本インターネットの収益モデルを脱がせ」(韓国ドナン出版)
「講演などで日韓を行き交う楽しい日々を送ってます。韓国情報通信部と傘下機関・IT企業の対日戦略リサーチ&コンサルティング、日韓IT視察を企画運営するJ&JNETWORKの代表であり、韓国で唯一、日本とのITビジネス交流を図る非営利団体JIBC(Japan Internet Buisiness Community)の会長を務めています。日韓両国で生活した経験を活かし、韓日のIT事情を比較解説する講師として、韓国の色んな情報を分りやすく伝えるジャーナリストとしてもっともっと活躍したいです。
韓国はいつも活気溢れ、競争が激しい社会なので変化も早く、2〜3ヵ月もすると街の表情ががらっと変わってしまいます。こんな話をするとなんだかきつそうな国〜と思われがちですが、世話好きな人が多く、電車やバスでは席を譲り合い、かばんを持ってくれる人も多く、マンションに住みながらもおいしいものが手に入ればおすそ分けするのが当たり前の人情の街です。みなさん、遊びに来てください!」


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