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2007年6月21日

戦国時代ブーム到来?!でござるの巻(第109回)

みやしたゆきこ=コラムニスト

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 小さい頃から日本史に興味があって、図書館に行っては子ども向けの「太閤記」や「平家物語」のような歴史ものを好んで借りていたものだ。
 今思えば、これは大河ドラマの影響である。
 毎週日曜の夜8時からは、「新・平家物語」(1972年)とか「黄金の日日」(1978年)を一家で見ていた記憶がある。
 ちなみに日曜のお昼12時からは牧伸二の「大正テレビ寄席」だし、夕方5時からは「笑点」、6時からは「てなもんや三度笠」、6時半からは「シャボン玉ホリデー」だ。
 と、かようにお笑い番組好きな一家ではあったが、8時からはNHKの大河ドラマなのだった。

 私は日本史好きなコドモではあったが、同時に暗記が苦手なコドモでもあったため、歴史の成績は今ひとつだった。
 だが、「敵に塩を贈る」だの「三日天下」だの「天草四郎」だの「刀狩り」だの「天正の少年使節」だの「懐で温めておきました」だのといった日本史的フレーズを、日常会話の中に無駄に織り込むのは好きだ。ボキャブラリーがやけに偏っているのは、これもまた戦国時代をテーマにした大河ドラマが多かったことに由来するに違いない。
 さて、私がこんなに戦国時代に思い入れがあるにもかかわらず、我が息子は歴史にはとんと興味が持てないらしい。ついこないだまで中学受験のため必死に年号だの人名だのを暗記していたけれど、好きでもない事を無理に覚えなければならないという状況は、ますます彼を日本史から遠ざけてしまう。ちぇ、面白いのになあ、日本史。
 たとえば、乾燥機で乾かしたばかりのホカホカの体操着を「懐で温めておきました」と言いながら息子に渡しても、なんのリアクションも返ってこないのが寂しい。ここは「秀吉かよ!」とツッコんでほしいところである。「洗濯物の上に尻を乗せていたな?」でも可。

 ところが、ある日のこと。
 突然、息子が「やっぱ武将なら長宗我部信親だよな」などと言い出すではないか。なんだなんだ、どうした息子。ついに日本史に目覚めたのか!? それにしてもなぜ長宗我部信親なんだ!
 息子曰く「えー、いや、なんとなく」。
 単に音の響きが面白かっただけらしい。ちょうそかべのぶちか。なるほど、これが「声に出して読みたい日本語」ってやつだな。

 また別の日のこと。
 家に遊びにきた息子の友人達が、やたらと「おやかたさまぁ〜、ついにやりましたぜぇ〜」などと叫びあっている。誰だよ、おやかたさまって。っていうかお前は何者なんだ。
 話を聞いてみれば、「おやかたさま」というのは武田信玄で「ついにやった」のは真田幸村。で、この台詞のルーツは「戦国BASARA」というテレビゲームなのだそうだ。
 これは、織田信長、伊達政宗、上杉謙信…といった有名な武将達が登場する戦国時代を舞台にしたゲームだが、史実や時代考証は完全無視で、独自の世界観を築き上げて人気を博しているものらしい。
 濃姫や前田利家の妻・まつまでが、戦国武将達と一緒に暴れ回るというからスゴイ。ザビエルのような風貌の「ザビー教開祖・ザビー」というキャラまで登場する。もちろんこいつも戦に参加するのである。しかも、メカザビーなるロボットで攻撃するらしい。なんだそりゃ。
 とまあ、このように破天荒なゲームではあるが、これがきっかけでコドモ達が日本史に興味を持ってくれるようになったら嬉しいではないか。ビバ!戦国時代!

 さて、産經新聞の「なんと9割女性…武将オタ“戦国時代ショップ”」という記事によると、滋賀県彦根市にある戦国時代グッズ専門店「しょうぶ屋」に若い女性客が殺到しているという。店長曰く「昔は、戦国時代を知るには、歴史小説しか入り口がなかった。最近はゲームや漫画の題材となり、武将のキャラクター化が進み、ファン層が広がった」とのこと。いわゆる「武将ヲタ」「武将萌え」の女性達でなのであろう。
 試しにサーチしてみたところ、「もののふ」とか「戦国魂」とか、戦国時代グッズ専門店はここ以外にも結構あって、いよいよ本格的に戦国時代ブーム到来の予感。戦国武将手拭い、欲しいぞう。

 武将や城が好きというと、司馬遼太郎とか山田風太郎などの小説を愛読する年配の男性というイメージがあったが、今や戦国時代マニアは小学生から若い女性まで幅広い世代に増殖しつつあるのだ。
 今年度のNHK大河ドラマは、武田信玄の軍師・山本勘助が主人公の「風林火山」
 毎日新聞によると、6月10日放送分の視聴率が20.8%。歴代の大河ドラマの平均視聴率(ビデオリサーチ)と比べてみても遜色のない健闘ぶりだ。6月17日の回からはミュージシャンのGackt演ずる信玄の最大のライバル上杉謙信(長尾景虎)も登場し、戦国時代ブームは今後ますます盛り上がっていくことだろう。ビバ!戦国時代!


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