パソコンが普及するようになって、「ペーパーレス」時代が到来するかと思いきや、依然紙の書類は大量に流通しています。ちょっとでも油断すると机の上は書類の山。昨日の夜、きれいに片付けたはずの机の上は、すでに書類が積み重なりはじめており、夕方には元の木阿弥、また書類整理をしなければなりません。
こうした状況では、書類をどのように整理するのか、そのテクニックが仕事の生産性に大きく影響してきます。そこで今日、みなさんにご紹介したいのが、1分でできるカンタン書類整理術です。
机の上にある書類のうち、今日中に処理しなければならないものと、明日以降でも大丈夫なものと二つに分けます。今日のうちに処理する書類は机の上に置いたままにしておきます。そして、明日以降でも大丈夫な書類は、書類ボックスに放り込むのです。この間1分。これで机の上が劇的に片付きます。
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| とりあえず箱に放り込めばオーケー |
こんなことを書くと、「大切な書類をまとめて放り込んだら、どこに行ったかわからなくなる!」とお叱りを受けるかもしれません。しかし、重要な書類というのは、今、作業しなければならない書類のこと。明日以降に必要になると言うものは、明日以降に重要なのであって、今日、今ここでは必要ないはずです。今日の作業に必要のない80%の書類を机から取り除き、必要な20%に集中する。書類整理は、仕事のプライオリティを徹底的に厳しく判断していくことでもあるのです。
実はこの作業、脳の仕組みにも関連しています。脳の記憶には長期記憶と短期記憶があります。短期記憶の領域には限りがあるので、あまりに同時並行で仕事を進めているとすぐにパンクしてしまいます。そこで「今、絶対にやらなければならないこと」に集中するためにも、それ以外の情報を遮断してやる必要があるのです。明日の心配をしている間に、今日やらなければならないことが片付かない・・・・・・なんてことになってしまうことを防ぐ。そのためにも、物理的に情報から隔離させるという方法をとるわけです。
もうひとつ重要なことは、重要でない書類を必ず1カ所に集めて保管することです。もしこれがバラバラになってしまうと、今度は「どの書類をどこにおいたのか」ということを記憶しなければならなくなります。これもまた、短期記憶の無駄遣いとなるので、避けたい。早稲田大学大学院の教授であり、「超整理術」の著者としても有名な野口悠紀雄氏はこれを「ワンポケット原則」と呼び、書類が必ずそこにあるという安心感の重要性を説いています。
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| すべての情報を必ずワンポケットに収納する |
このようにして、物理的な書類の配置場所によって、短期記憶と長期記憶を使い分ける。机の上は、短期記憶の場所であり、書類ボックスは長期記憶として保管しておく場所とするわけです。脳のしくみをメタファーとして現実の仕事の環境を整えると、脳に優しい、すっきりとした仕事場が実現できます。
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| 脳のメタファーを利用してオフィス環境を整える |
逆に、机の上がそのまま、その人の脳の中を反映していると考えると、人間観察のネタとしても面白い。ぐちゃぐちゃに混乱している人は、脳の中も混乱していることが多いようです。また、フィギュアなどが置いてあれば、萌えの構造も垣間見ることができます。
書類整理ですが、今回紹介したことをやるだけでももちろん十分。ただ、これができた人にはさらに上級者コースがあります。もうあと5分、時間があるときにおこなうプロセスがあるのです。これについては、次回、ご紹介していきたいと思います。
【小山 龍介(こやま りゅうすけ)】
松竹株式会社 新規事業プロデューサー。1975年、福岡生まれ。京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、現職。サンダーバード経営大学院でMBAを取得。「歌舞伎美人」などの新規事業立ち上げを行っている。ISIS編集学校師範代・代匠。著書に『IDEA HACKS!』『TIME HACKS!』『ライフハックのつくりかた』。
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