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2007年5月23日

韓国で「セカンドライフ」が盛り上がらないわけ

趙 章恩=ITジャーナリスト

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(執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 日本のマスコミに頻繁に登場する「セカンドライフ」。これがそんなに新しいのか?楽しいのか?と思ってしまうのは私だけだろうか。米国や韓国では90年代「SIMCITY」といって、仮想社会の中で神様になった気分で家、病院や施設をどれぐらい建てるかなどを設計し、市民を増やしていくというパソコンゲームが流行った時期があった。このゲームも面白いのはユーザーがゲームの中に登場するアイテムを自分で作れるところだった。

 またブロードバンドが普及してから根強い人気のMMORPG(Massive Multiplayer Online Role Playing Game、多数のユーザーが同時に参加するロールプレイングゲーム)だって、ネットワーク上で色んなユーザーに出会い、ゲームの中のモンスターをやっつけたりミッションを解決したりしながら自分のキャラクターやアバタをカッコよくさせ仮想社会をうろうろする、または次々別の世界へ移動していく。「どうぶつの森」だって仮想社会の中でユーザー同士が出会い、一緒に遊べるし仕事もできるではないか。

 土地を売買するとか、アバターのための髪型や衣装を作って売買できるといったところがすごいというが、MMORPGの世界でもアイテム売買はされているし、アバターをカッコよくするためにお金を使うのは一緒だ。ただこれまでは、売買が会社とユーザー間で行われていて、自分で作るというよりは完成品の中から選択するものだった。セカンドライフはユーザー同士で売買できるし、それで得たゲームマネーを現金のドルに換金するのが合法であるというところは確かに新しい。また、グローバルサーバーなので世界中のユーザーとも出会えるところがいいというが、英語を見ただけで酔ってしまう筆者にはそれがいやでセカンドライフをしてみる気になれない。それって私だけ?

 セカンドライフは韓国語でもサービスされているが、まだパッとしない。欧米ユーザー向けに韓国の企業がセカンドライフの中に支店を作るといったことは報道されているが、「セカンドライフって楽しいよね〜」という話はまだ聞こえてこない。オンラインゲーム慣れした韓国では「何をしても自由というのは逆に面白くない。ミッションがあって達成感のあるMMORPGの方が楽しい」といった反応が多い。またアバターで遊ぶネットワークコミュニティーやゲームが下火になり、これらのポジションが女子小学生向けのサイバーままごとに転落したことも影響があるかもしれない。

 もしくは、当時のコミュニティーやゲームでは、アバターの飾るためにはいくつかのパターンの中から選択するしかなかったので、気に入るアバターが作れないといったこともあった。完全に自分が作りたいように作れて、現実の自分より美男美女のアバターを使えるようになればまたブームになるかもしれない。

 しかし、セカンドライフのあのアバターはひどすぎないか?ひと昔前、韓国のアバターサービスがお金を使わせるためにデフォルトは裸や下着だけにしたのもひどかったが、セカンドライフのあのアバターじゃ他のユーザーと出会いたくなくなる。セカンドライフ関連の記事の下に付けられたユーザーのコメントも「いかにもアメリカ的なグラフィックのアバターは怖い」、「韓国人や日本人のアバターなのにどうみても黒人か東南アジア系」などアバターの出来の悪さを指摘する意見が多かった。変なアバターをまともにさせることからセカンドライフが始まるというのは、やはりお金を使わせるための戦略なんだろうか。

 セカンドライフが韓国で人気がないもう一つの理由は法律とも関係がある。2007年5月14日から施行された「改定ゲーム産業振興法」はゲームマネーの現金化やアイテム売買、売買の斡旋行為を禁じている。韓国に会社をおいて正式サービスを準備しているセカンドライフもこの法律が適用され、リンデンドルの換金、セカンドライフの中でのカジノやヌードビーチ、アダルト行為ができなくなる。リンデンラボ側は「韓国のユーザーを対象に本人認証をしてセカンドライフの中にあるセックスショップやカジノの利用を統制する」と発表しているが、どこまで取り締まれるだろうか。セカンドライフはユーザーが好きなように遊べ、あれこれ創作意欲をかきたてられるサービスであるというところに意味があるはずだ。すぐ取り締まることから考えずにもう少しユーザーの判断を尊重してもいいような気がする。その結果、セカンドライフに人気が出るかどうかはわからないが。


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