ネット内の仮想空間で、土地を買い、モノを作り、販売する。そこで稼いだお金で、現実世界の生計を立てる。そんな今までの常識では考えられないネットの使い方が一部で広がりつつある。
まるでアニメのような3Dグラフィックスの中で、世界中のユーザーが第2の人生を過ごす仮想都市が米リンデン・ラボの「Second Life(セカンドライフ)」である。欧米を中心にユーザーを集め、登録者数は300万人以上にも到達。個人だけでなく米IBMや日産自動車などの大手企業も、その経済効果に注目し、仮想空間の中に店舗や展示スペースを設けている。日本語版も2月から3月にかけて登場する見通しだ。
ネットの中の仮想空間というと一部のマニア向けのように感じるが、実は一般的な大人の利用が多いという。平均年齢は32歳。ユーザーの43%は女性。ゲームとは異なり、怪物を倒すわけでもなく、世界を救うといった目的もない。仮想空間で人と出会い、土地を買い、モノを作り、販売する。まさに人生を演じるのだ。
Second Lifeの中では分身(アバター)の姿を自由に変更できる。服や髪形はもちろん、性別の変更も自在。動物にも変身できる。空間内を歩き、飛び、テレポート(瞬間移動)もできる。米リンデン・ラボ コミュニティー開発兼サポート担当副社長のロビン・ハーパー氏は、Second Lifeを「現実世界にあるさまざまな壁を取り払った空間」なのだと説明する。
同氏によるとSecond Lifeが多くの注目を集めている理由は主に3つあるという。1つめは「ユーザー同士の交流」が持てること。アバターを通して世界中のユーザーと交流できる。例えば、バーでダンスや会話を楽しむ、気の合う仲間が協力して街や店舗を作るといった具合だ。コンサート、政治デモ、結婚式などさまざまな種類のイベントも各地で開催されている。
2つめは「あらゆるモノを創造」できること。3Dオブジェクトの作成ツールを使うことで、画面の中でさまざまな物を作成できる。仮想都市に存在している建物、乗り物、アバターの服などは、ほとんどがユーザーが作成したもの。プログラミングによる動きの制御も可能。作ったオブジェクトは、その作者に知的所有権が認められる仕組みとなっている。
3つめは「仮想通貨による売買」。作成したオブジェクトは、店舗を構えることで販売できる。商品が売れれば、リンデンドルという仮想通貨を取得できる。この仮想通貨は米ドルなど現実の通貨に変換できる。この仕組みを使って、現実世界の生計を立てているユーザーも数千人が存在すると見られている。大地主となって土地売買や賃貸料で稼ぎ、億万長者となったユーザーもいる。
| 【Second Lifeが多数のユーザーを集めている3つの要因】 |
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