A:紙の原料になるのは、建築用に使った木の残り部分や、建築に適さない細い木や曲がった木などです。かつては、針葉樹がよく使われていました。国内の古い工場が北海道にあるのは、針葉樹が北海道に多いためです。ただ、現在は広葉樹も広く使うようになりました。
国内製紙メーカーの多くは、木材を海外から輸入しています。2005年に、パルプ製造に使った木材は1925万トン。このうち70%が輸入材でした。輸送コストを考えても、価格が抑えられるためです。1980年代までは、主に米国やオーストラリアから輸入していましたが、最近の調達先は世界十数カ国にわたっています。南半球の国々が中心で、オーストラリア、南アフリカ、チリ、ベトナム、ブラジルなどから輸入しています。
日本の紙の生産量は世界第3位、消費量では第4位で、さまざまな意味で“紙大国”です。こうしたことから、安定して木材を確保できるように、国内製紙メーカーは積極的に植林事業を実施しています。例えば王子製紙は、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルなどの荒廃地を活用し、約8年サイクルで伐採と植林を繰り返しています。
また国内の製紙メーカーは、古紙のリサイクルも積極的に実施しています。日本で作られる紙のうち、約60%は古紙が原料です。世界的にみても日本のリサイクルは進んでおり、古紙回収率、古紙利用率ともにトップクラスです。
過去には、東南アジアなどを中心に、森林を違法に伐採して、木材の原料として横流しする例が後を絶ちませんでした。ただ、1994年に世界的な第三者機関「森林管理協議会」(FSC)が誕生してからは、違法伐採も減ってきています。
A:現在の紙なら、約1000年は保存できます。実は昔の紙は100年程度しか持たないといわれていました。実際、図書館にある古い本の中にはボロボロに傷んだものもあります。これは当時の紙が「酸性紙」だったためです。製造時に混ぜるインクのにじみを防ぐ薬剤に問題があり、時間がたつと繊維を壊してしまったのです。その後薬剤が改良され、現在の紙は「中性紙」に変わりました。中性なので、繊維が壊れることがなく、長期保存が可能になりました。
博物館で、1000年以上も前の古い和紙が、良い状態で保存されているのを見たことがあるかもしれません。実は和紙は中性紙。そのため、今日まで壊れずに保存されてきたのです。現在の中性紙が、理論上1000年保存できるとされるのもこのためです。
ちなみに和紙と洋紙の一番の違いは、原料にあります。洋紙はアカマツやブナなどさまざまな木が使われますが、和紙はコウゾ、ミツマタなど繊維の長い木が原料です。この違いが、和紙独特の風合いを生んでいます。和紙の場合、樹液を混ぜて強度を高めています。
A:紙は水に溶けるわけではありません。トイレットペーパーは、薬品をほとんど加えていないため、トイレに流すと繊維がほぐれてバラバラになるのです。一方、用途多彩なティッシュペーパーは、強度を増すため、繊維同士を接着させる薬剤を混ぜています。このため、繊維がほぐれず、トイレがつまるのです。
A 紙の寸法は1929年、JIS(日本工業規格)として定められました。国際標準でもあるドイツ工業規格と同じ「A列」、明治維新以降の日本で使われていた四六判と互換性のある国内独自の「B列」の2種類があります。A列は1!)、B列は1.5!)を縦横比1: の比率にした大きさをそれぞれA0判、B0判と呼び、寸法の基本としています。判の大きさは、図のようにA0判やB0判をどんどん半分にすることで決まります。最小はA 1 0 判およびB10判です。比率が1: なのは、何回折り畳んでも縦横比が変わらないためです。
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