通常、PCなどのシステム製品は、周辺環境の温度が5〜35℃程度の範囲での動作を保証する。その内部、例えば、CPUを見てみると、以前はシステム製品と同じく動作温度の定義として「TA」(ambient:周囲)というものが用いられていた。これは、その半導体が搭載されたシステム内の中心部分の周囲温度を測定するというものだ(図1)。Intelも初期のCPUである「8086」や「80286」ではこの定義を用いており、民生品の仕様で、約0〜70℃だった。
しかし、この定義はあまりにも漠然としており、CPUのような高度なLSIの動作温度条件には適していなかった。そこでIntelは、Intel386の世代から「TCASE」という数値を使い、より精密に定義できるようにした(図2)。TCASEというのは、CPUパッケージの中央部分の熱を測定するもの。この定義によってCPUの製造者であるIntelとPCメーカー間で共通の認識が持てるようになり、システムとしての熱設計が行いやすくなった。
現在のデスクトップ向けCPU(Pentium 4)でも、このTCASEによって、CPUの動作温度範囲が定義されている。しかしこれは、エンドユーザーが簡単に測定できるものではない。CPUの表面にはヒートシンクが密着しており、TCASEを測定するには、IHS(Integrated Heat Spreader)を削るなど、高度な技術が必要になるからだ。
Pentium II(0.25μmプロセス製造)以降のCPUには、CPU内部にサーマルダイオードが追加されている。このダイオードが示す値は、マザーボード上に実装している管理用のASIC(ファン制御や、電源管理、温度管理などを行うチップなど)を介してA/D変換し、BIOSメニューやWindows上のアプリケーションソフトなどを使って表示する。ユーザーはこの数字を参考に、システムの冷却などを考えられる。
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