日本のデジタル放送に掛けられたコンテンツ保護の枠組みを根底から揺さぶる、地上デジタル放送チューナー「Friio(フリーオ)」。こうした機器が無尽蔵に出現し流通する前に、一定の対策を取ることは不可避であろう。一方、Friioという機器が出現してしまったのには、何らかの背景があるはずだ。そこに思いを巡らせることで、ことの本質が見えてくる。
折しも総務省の情報通信審議会の委員会で、2007年12月27日にFriio問題が話し合われる。第2報で記したような現行の法制度による取り締まりの限界や、B-CASを始めとする地デジのコンテンツ保護の仕組みにおける課題について、対策が検討される見込みだ。
一方、こうした動きと並行して、別の観点からFriio問題の解決を目指す動きが、放送業界やパソコン業界の中で出始めている。
12月14日付の第1報では、実際にFriioによって地デジの受信や録画、そして録画済みコンテンツの複製ができることを示した。12月17日付の第2報では、Friioの仕組みを分析するとともに、法的な課題について検証した。今回の第3報では、Friioをめぐる問題の本質であるパソコンとデジタル放送の課題と、その解決に向けた動きを記していく。
クリスマスを前にしたこの3連休、家電量販店は普段の数倍はあろうかという人波が押し寄せた。お目当てとなるのは、フルハイビジョンの映像を映し出せ、価格も手ごろになってきた薄型テレビであり、ワンセグチューナー内蔵が当たり前になってきた携帯電話であり、通常のDVDにハイビジョン映像の記録が可能な光ディスクレコーダーである。
一方、パソコンはというと、目玉商品として厚遇されているのは15万円を切る低価格のスタンダードノート。地デジチューナーを内蔵したテレビパソコン(地デジテレパソ)は、ここ1〜2年で品揃えやデザイン、価格などがだいぶ洗練されてきている。それでも、低価格ノートと比べると、その魅力を十分に発揮しているとは言えないのが現状だ。
地デジテレパソの不振ぶりは、統計からも読み取れる。図1は、法人向け市場も含めたデスクトップパソコンの国内出荷台数に占めるテレパソの比率を、四半期ベースで示したものだ(IDC Japanの調査による)。ピークだった2004年ころには、個人・法人を合わせた全デスクトップの3割以上にテレビ機能が搭載されていた。ところがアナログテレパソから地デジテレパソへの置き換えが進むにつれ、テレパソ比率は低下。最新の2007年7〜9月では、わずか8%となってしまった。地デジテレパソがなかなか浸透しない状況がうかがえる。
当時の主流は、地上アナログ放送に対応したテレパソ(アナログテレパソ)。その後、地デジの視聴エリアが全国規模に拡大するのに合わせ、大手メーカー各社は2006年ころからアナログテレパソに代えて地デジテレパソのラインアップを増やし始める。だが、図1で示した通り、地デジテレパソは現在でも市場に受け入れられたとは言い難い状況にある。
なぜこうなってしまったのか……(次ページに続く)
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