スペインに本部を置く通信サービスベンチャーの「FON」は2006年4月11日、日本で公衆無線LANサービスを本格展開することを明らかにした。早ければ2006年4月後半に日本語のWebサイトを公開し、国内で20万人の利用者獲得を目指す。
FONが提供する公衆無線LANサービスは、個人が自宅で保有する無線LANのアクセスポイントを公開し、サービスの利用者と共有するサービス。サービスに参加するユーザーは3つのタイプに分類される。自分のアクセスポイントを共有する代わりにサービスのアクセスポイントを無料で利用できる「Linus(ライナス)」、サービスのアクセスポイントを有料で利用する「Aliens(エイリアン)」、自分のアクセスポイントを共有し、Aliensからの収益の50%を受け取る代わりに、アクセスポイントの利用は有料になる「Bills(ビル)」だ。現在はLinusのみで参加が可能になっている。同社のサービスは、すでに各国で始まっており、国内でも利用可能だ。
2006年6月ごろにはAliensやBillsでの参加も開始し、サービスを利用する際の利用料は「1日200円くらいになる見込み」(FONのアドバイザーを務めるデジタルガレージ顧問の伊藤穰一氏)。日本法人についても伊藤氏を中心に「できるだけ早い段階で設立する予定」(伊藤氏)だという。現在は、決済システムなどを詰めている段階。ソフトを添付したルーターやサービス専用ルーターを夏までに販売する予定もある。
利用できるルーターは現在、リンクシスの一部の製品に限られる。ルーターに専用ソフトをダウンロードすることで、アクセスポイントを公開することができる。パソコンにも専用ソフトが必要。現在、リンクシスのルーターをFONのサービスに対応できるようにするファームウエアをFONのWebサイトで提供している。バッファローの製品でも、「WHR-HP-G54」で「動作確認ができている」(伊藤氏)。また、既存のルーターに接続することでサービスを利用可能にする機器を、3000円程度で販売する計画もあるという。
FONのCEOであるマーティンバーサフスキ氏は「日本では20万人のメンバー獲得を目指す」と言い、20万人のメンバーがいれば、ある程度のエリアがカバーできるとした。ビジネスで使うようなユーザーよりもゲームや音楽といったエンターテインメントに使うようなユーザーをターゲットにしているという。現在日本でISPや通信機器ベンダーなどとの話し合いを進めている最中で、今後は「テレビ局など様々な企業との提携を考えている」(マーティンバーサフスキ氏)。
FONはスカイプとグーグルの出資を受けて2005年11月にマーティンバーサフスキ氏が設立。FONのサービスを利用しているメンバーは現在世界144カ国で2万9000人。そのうち、半分の1万5000人弱が自宅にルーターを設置しているメンバーだという。

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